7月10日に投開票が行われる見込みの参院選挙(6月22日公示)。比例代表に著名なタレント候補をズラリ並べたのが維新だ。
新人は俳優で演歌歌手の中条きよし氏、元マラソン日本代表の松野明美氏、元プロ野球選手でスポーツライターの青島健太氏、作家で元東京都知事の猪瀬直樹氏、改選組の候補には元女優の石井苗子氏がいる。
維新の当確ラインは約5万票と見られ、石井氏は6年前、約7万票で3位当選した。政治ジャーナリスト・野上忠興氏が語る。
「維新は議員の不祥事などで昨年の総選挙に比べると勢いは落ちているものの、それでも比例代表では700万票、7議席に届くと予想される。タレント候補全員当選の可能性は十分あります」
候補たちも臨戦態勢だ。
「票数についてはよく分かりませんが、維新の中でトップ当選を目指します」
そう自信をのぞかせるのは中条氏。ディナーショーなどを続けてきて人気は健在、6月5日に都内で行なった選挙事務所開きは入りきれないファンや関係者が道路にあふれるほどの大盛況だった。
対照的に、熊本県議を務めるマラソンの松野氏は不安を隠せない様子でこう語った。
「熊本の選挙をやっていると、何となく票が伸びているとか、伸び悩んでいるなと分かるんです。が、今回は全国でしょう。初めてですし、手応えが全然分からない。全国を回ると、皆さんが応援してくれる、それはうれしいんですけど、『この人たちは、私に入れてくれるんだろうか』と、大きい選挙区だとそういうふうにしか感じられない。何票取れるか全く分からないから、ランナーだった時のように、最後にぶっ倒れるまでやってトップを目指します」
れいわ新選組からは維新とバトルを繰り広げている元お笑いコンビ「浅草キッド」の水道橋博士氏が出馬する。
※週刊ポスト2022年6月24日号
【訂正】 各選挙区予測の図において、政治ジャーナリスト・野上忠興氏は富山選挙区について自民党と予測していましたが、誤って立憲民主党と掲載していたため、訂正しました。