ライフ

和田秀樹氏「80歳を超えて元気で過ごすには“我慢をやめる”ことが大切」

近著『80歳の壁』、『老いが怖くなくなる本』が話題の和田秀樹氏

近著『80歳の壁』、『老いが怖くなくなる本』が話題の和田秀樹氏

 100歳以上の人口は8万6000人を超える。国立社会保障・人口問題研究所によれば、現在65歳の人の4分の1が95歳まで生きると予測されている。まさに「人生100年」が当たり前の時代となった。

 長い人生を輝かせるには「健康寿命」が重要になる。そのために節制や病気の予防に努める人は少なくないが、これまでの“常識”を考え直してみることも必要だ。

「80歳を超えて元気で過ごすには、“我慢をやめる”ことが大切です」。そう指摘するのは、高齢者専門の精神科医としてこれまで6000人以上を診察し、近著『80歳の壁』(幻冬舎新書)や『老いが怖くなくなる本』(小学館新書)が話題となっている和田秀樹氏だ。

「食事やお酒の制限、年に一度の健康診断、多種類の薬の服用といった“健康志向”の効果はあっても60代まで。多くの患者さんを見てきた結果、70歳からはそうした我慢をやめ、好きなように生きたほうが80歳以降の人生が健康的になると考えています」

 日本人の平均寿命は男性が81.64歳、女性は87.74歳だが、自立して健康的な生活を送れる健康寿命は男性が72.68歳で、女性は75.38歳。男性は9年間、女性は12年間のギャップがある。

 もちろん、健康状態は人それぞれで、平均的な健康寿命を超えても元気な人は少なくない。そうした「80歳の壁」を越える人になるには、「70代まで続けてきた常識を捨てるのがよい」と和田氏は説く。

「80歳を超えたら老いに抗うのではなく、老いを受け入れ、残った能力やその時にできることを大事にする。60代までは節制や運動に励んで生活習慣病を予防し、老いに抗うことも必要でしょう。

 ただ、80代になればがんや認知症といった病気は誰でも発症します。ならば、がんにならないための我慢は意味がないと考えてもいいでしょう。過度に我慢をしてストレスを抱えて生きることは、むしろ身体にダメージを与えることに繋がります。それよりも老いを受け入れて我慢や無理をしない生活を送るほうが健康的です。そして、高齢者ではなく『幸齢者』を目指しましょう」

※週刊ポスト2022年6月24日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

大阪・関西万博で天皇皇后両陛下を出迎えた女優の藤原紀香(2025年4月、大阪府・大阪市。撮影/JMPA)
《天皇皇后両陛下を出迎え》藤原紀香、万博での白ワイドパンツ&着物スタイルで見せた「梨園の妻」としての凜とした姿 
NEWSポストセブン
石川県の被災地で「沈金」をご体験された佳子さま(2025年4月、石川県・輪島市。撮影/JMPA)
《インナーの胸元にはフリルで”甘さ”も》佳子さま、色味を抑えたシックなパンツスーツで石川県の被災地で「沈金」をご体験 
NEWSポストセブン
何が彼女を変えてしまったのか(Getty Images)
【広末涼子の歯車を狂わせた“芸能界の欲”】心身ともに疲弊した早大進学騒動、本来の自分ではなかった優等生イメージ、26年連れ添った事務所との別れ…広末ひとりの問題だったのか
週刊ポスト
2023年1月に放送スタートした「ぽかぽか」(オフィシャルサイトより)
フジテレビ『ぽかぽか』人気アイドルの大阪万博ライブが「開催中止」 番組で毎日特集していたのに…“まさか”の事態に現場はショック
NEWSポストセブン
隣の新入生とお話しされる場面も(時事通信フォト)
《悠仁さま入学の直前》筑波大学長が日本とブラジルの友好増進を図る宮中晩餐会に招待されていた 「秋篠宮夫妻との会話はあったのか?」の問いに大学側が否定した事情
週刊ポスト
新調した桜色のスーツをお召しになる雅子さま(2025年4月、大阪府・大阪市。撮影/JMPA)
雅子さま、万博開会式に桜色のスーツでご出席 硫黄島日帰り訪問直後の超過密日程でもにこやかな表情、お召し物はこの日に合わせて新調 
女性セブン
被害者の手柄さんの中学時代の卒業アルバム、
「『犯罪に関わっているかもしれない』と警察から電話が…」谷内寛幸容疑者(24)が起こしていた過去の“警察沙汰トラブル”【さいたま市・15歳女子高校生刺殺事件】
NEWSポストセブン
豊昇龍(撮影/JMPA)
師匠・立浪親方が語る横綱・豊昇龍「タトゥー男とどんちゃん騒ぎ」報道の真相 「相手が反社でないことは確認済み」「親しい後援者との二次会で感謝の気持ち示したのだろう」
NEWSポストセブン
「日本国際賞」の授賞式に出席された天皇皇后両陛下 (2025年4月、撮影/JMPA)
《精力的なご公務が続く》皇后雅子さまが見せられた晴れやかな笑顔 お気に入りカラーのブルーのドレスで華やかに
NEWSポストセブン
大阪・関西万博が開幕し、来場者でにぎわう会場
《大阪・関西万博“炎上スポット”のリアル》大屋根リング、大行列、未完成パビリオン…来場者が明かした賛&否 3850円えきそばには「写真と違う」と不満も
NEWSポストセブン
真美子さんと大谷(AP/アフロ、日刊スポーツ/アフロ)
《大谷翔平が見せる妻への気遣い》妊娠中の真美子さんが「ロングスカート」「ゆったりパンツ」を封印して取り入れた“新ファッション”
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 高市早苗が激白「私ならトランプと……」ほか
「週刊ポスト」本日発売! 高市早苗が激白「私ならトランプと……」ほか
週刊ポスト