国内

参議院出馬の猪瀬直樹氏 政策の意思決定が見えない日本は「中国ロシアに似ている」

「政策決定過程」が見えないことが、日本の大きな問題と指摘

「政策決定過程」が見えないことが、日本の大きな問題と指摘

 コロナ禍、ロシアによるウクライナ侵略と、世界的な非常時に実施される今夏の参院選。国内外に問題が山積するなか、岸田政権の支持率は各種調査で7割近くに達し、政権発足以来、最高を記録した。しかし、かつて「道路公団民営化」やさまざまな都政改革を実現させた元東京都知事で作家の猪瀬直樹氏は、現政権のある部分に危機感を覚えているという。猪瀬氏が語る。(写真/山崎力夫)

 * * *
 小泉内閣当時に務めた道路公団民営化推進委員会のメンバーは、7人でした。この人数なら徹底討議ができ、会議を原則公開に決めたことで、改革を前に進めることができた。そもそも7人以内でないと、政府の審議会で議論するのは無理があります。現在はだいたい20人くらいいますが、会議が2時間だとして、役所からの説明などもあるから、実質1人2分も発言すれば終わってしまう。結局、事務局である役所が作った作文が採用されがちで、委員の意見を少し取り入れたとしても、それは議論の成果とは言えない。

 委員の側が御用で行ったつもりではなくても、御用審議会のような形にさせられてしまうのが、今の審議会のありようです。しかも政府の審議会は公開されず、関係閣僚や日銀総裁、経済団体トップが一同に会する経済財政諮問会議でさえ、議事録の公開は4年後とされています。

 極め付きは、コロナ対策の意思決定の場として2020年1月に設けられた「新型コロナウイルス感染症対策本部」。当時は感染状況の把握や水際対策が主なテーマだったとはいえ、会合は国会の合間の15分とか20分しか行われませんでした。役人が読み上げて、大臣が2人くらい発言したら終わりです。その中身も、概要が少し公開されただけで、具体的な審議内容は公開されていない。

 政府の審議会の情報公開ができておらず、公文書もきちんと作成されていない。これは大きな問題です。

関連キーワード

関連記事

トピックス

二人とも帽子をかぶっていた
《祝・第一子妊娠発表》小山慶一郎(40)と宇野実彩子(38)が見せていた“ハワイ帰りの幸せなやりとり”「いろいろ行ったよね!」
NEWSポストセブン
10月1日、ススキノ事件の第4回公判が行われた
《延長リクエストは断った》田村瑠奈被告の“ホテルで夜遊び”を車で待つ父親の心情「周りから奇異な目で見られても…」【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
ジャンボ軍団がセレクションに登場。左から金子柱憲、飯合肇、尾崎直道、尾崎健夫(撮影・太田真三)
10年ぶりに勢揃いのジャンボ軍団が語り合った「日本の男子ツアーが盛り上がらない理由」 女子はスターが次々と出てくるのに“ジャンボ尾崎の跡取り”が出ない苦悩
NEWSポストセブン
公判で明らかになってきた田村一家の“地獄の家”の全貌とは
《どうしてここから出られないの…》田村瑠奈被告は現在も「首を拾っただけなのに」と弁護人に伝達、裁判で明かされた“家庭内暴力”「ガムテープが飛んできた」「運転中に首絞め」【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
慶應義塾アメフト部(インスタグラムより)
《またも未成年飲酒発覚》慶大アメフト部、声明発表前に行われた“緊急ミーティング”の概要「個人の問題」「発表するつもりはない」方針から一転
NEWSポストセブン
1月23日、トランプ大統領はケネディ暗殺に関連する非公開資料を機密解除する大統領令に署名した(写真=AP/AFLO)
【本当に狙ったのは誰か】「ジョン・F・ケネディ大統領暗殺事件」の記録が完全公開へ 落合信彦氏の著書『二〇三九年の真実』で指摘された謎や不審点
週刊ポスト
性的パーティーを主催していたと見られるコムズ被告(Getty Images)
《裸でビリヤード台の上に乗せられ、両腕を後ろで縛られ…》“ディディ事件”の被害女性が勇気の告発、おぞましい暴行の一部始終「あまりの激しさにテーブルの上で吐き出して…」
NEWSポストセブン
引退後の生活を語っていた中居正広
【全文公開】中居正広、15年支えた恋人との“引退後の生活” 地元藤沢では「中居が湘南エリアのマンションの一室を購入した」との話も浮上
女性セブン
親方としてのキャリアをスタートさせた照ノ富士(写真・時事通信フォト)
【25億円プロジェクト】照ノ富士親方の伊勢ヶ濱部屋継承 相撲部屋建設予定地の地主が明かした「6階建てお洒落建物」構想
NEWSポストセブン
水原被告がついた「取り返しのつかない嘘」とは
水原一平被告がついた「取り返しのつかない嘘」に検察官が激怒 嘘の影響で“不名誉な大谷翔平コラ画像”が20ドルで販売
NEWSポストセブン
折田氏が捜査に対し十分な対応をしなかったため、県警と神戸地検は”強制捜査”に踏み切った
《「merchu」に強制捜査》注目される斎藤元彦知事との“大きな乖離”と、折田楓社長(33) の“SNS運用プロ” の実績 5年連続コンペ勝ち抜き、約1305万円で単独落札も
NEWSポストセブン
『東京2025世界陸上』のスペシャルアンバサダーを務める織田裕二
「くすぶって終わりたくない…」 織田裕二がバラエティ出演を辞さなくなった切実な背景《『世界陸上』に緊急復帰の理由》
NEWSポストセブン