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伸び悩む根尾昂、高橋周平、堂上直倫……中日はなぜ「有望な若手野手」が育たないのか

投手転向が吉と出るのか……(時事通信フォト)

投手転向が吉と出るのか……(時事通信フォト)

 中日・根尾昂がリーグ戦再開の6月17日から投手登録に変更となったことが、大きな反響を呼んでいる。ドラフトで4球団が競合した甲子園の星がプロの壁に苦しんでいるが、中日にはほかにも高校時代に名を馳せたものの、ファンの期待に応えられていない選手が多い。

 根尾が投手として大きな可能性を秘めているからこそ、立浪和義監督が野手からの転向を決断したことは間違いない。大阪桐蔭では遊撃と投手の「二刀流」で2年春、3年春、3年夏と3度の全国制覇に大きく貢献。春のセンバツ大会では史上初の2年連続優勝投手に輝いている。

 最速150キロの直球、スライダーで相手打者を抑え、巧みなバットコントールに加えて高校通算32本塁打とパンチ力もある。プロでも「二刀流」で挑戦するか注目されたが、野手一本で勝負することを決断する。アマチュア野球担当のスポーツ紙記者は複雑な表情で振り返る。

「二刀流で注目されましたが、根尾は高校時代に遊撃の守備に専念して練習を積んできたわけではないので、腰高やフットワークなど守備を鍛え直す必要があった。打撃も速い球への対応力が高校時代から課題とされていた。器用なタイプではないので、才能を引き出せるかは指導者や環境が重要なポイントだった。

 ドラフト1位で中日、日本ハム、ヤクルト、巨人が競合して中日が当たりくじを引いたわけですが、正直大丈夫かな? と思いました。高卒の野手で大成した選手が近年出てきていなったからです。大谷翔平という二刀流での成功例がある日本ハム、名遊撃手の宮本慎也氏がコーチを務めていたヤクルトで守備を徹底的に磨いたほうが良かったかなと……。抽選なのでどうにもできないタラレバですけどね」

 根尾は1年目からファームで目立った成績を残さないまま、年月が過ぎていく。3年目の昨季は「8番・左翼」で自身初の開幕スタメン出場を飾ったが、72試合出場で打率.178、1本塁打、16打点に終わった。「打撃フォームがコロコロ変わる」と継続性の無さを指摘する声も聞かれた。今年は立浪監督の意向で外野一本で勝負することに。だが、その方針はシーズンに入るとアッサリ覆された。5月に京田陽太が攻守で精彩を欠きファーム降格した事態を受けて遊撃に再コンバートされるもスタメン出場の機会はなく、外野を守り、さらには投手デビューを飾って騒がれた。「中日は根尾をどう育てたいのか理解できない」と他球団の編成は首をかしげていた。そして、投手登録となった後も今季は野手との「二刀流」を継続するという。

 遊撃の定位置をつかめなかった原因が、根尾自身にあることは間違いない。ただ、ドラフトで注目された高卒野手たちが中日に入団すると、才能を開花できず伸び悩んできたことも事実だ。

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