格闘技界でまたもビッグマッチが浮上した。6月14日、格闘技団体「RIZIN」がボクシング元5階級制覇王者フロイド・メイウェザー(45)と総合格闘家の朝倉未来(29)の対戦を発表した。9月に日本での開催を予定しているという。
この発表を受けて、ツイッターでは「メイウェザー」がトレンド入り。格闘技ファンからの期待が高まるが、RIZIN代表・榊原信行氏は会見で大会の放送についてこう話した。
「今後の格闘技はネット配信の中でのビジネスモデルにするしかない。お金が、地上波の放映権がついてこられないので。この試合もPPV(料金を支払って視聴するシステム)で見てもらうイベントにしたい」
この榊原氏の発言について、スポーツ紙デスクは額面通りには受け取れなかったと話す。
「ファイトマネー11億円と言われたメイウェザーvs那須川天心の一戦(2018年12月)は、フジテレビが独占でオンエアして、視聴率12.2%と同時間帯で民放トップを記録した。地上波の影響力は大きく、RIZINも放送したかったはず。フジ側の“脱RIZIN”の姿勢も無視できない要素だったのではないか」
本誌・週刊ポスト5月9日発売号で、榊原氏がRIZIN関係者と暴力団の交際を認めたとされる音声が流出し、その音声をめぐって金銭トラブルになっていることを報じた。続く5月16日発売号では榊原氏がインタビューに応じ、「反社会的勢力との交際はない」と疑惑を否定した。
その後、フジは榊原氏が実行委員を務める格闘技イベント「THE MATCH」(6月19日)の放送を見送ることを発表。榊原氏は会見で、「明確なものはない」としつつ、本誌記事が理由のひとつではないかと推察した。
スポーツ中継に携わるキー局幹部が語る
「メイウェザーvs朝倉ほどのビッグマッチをオンエアしないとなれば、フジはいよいよRIZINの大会全般から手を引いたとみるのが自然です」
フジに今後のRIZIN大会のオンエアについて聞くと、「放送の予定はございません」(広報部)とのことだった。
両者が歩み寄ることはもうないのか。
※週刊ポスト2022年7月1日号