エンゼルスの大谷翔平(27)にとって吉と出るか凶と出るか──。6月7日、二刀流の最大の理解者だったマドン監督が成績不振により解任。ネビン監督代行が就任したが、大谷の起用法について物議を醸している。
6月12日(日本時間13日)、前日に2ラン含め3安打3打点と大活躍だった大谷が、スタメンを外れた。代打の出場もなく、今季2回目の休養となった。
「前回の休養は投手で先発出場した翌日でしたが、DHとして出場した試合翌日の休養は初めてです。マドン前監督は大谷との対話で出場を決めていて、大谷の意思を最優先してきた。しかし、ネビン監督代行は大谷との対話は続けるものの、チームの判断を優先させることを明言した。主力打者トラウトの疲労もあるため、今後は大谷ファーストとはいかなくなる」(スポーツ紙記者)
このネビン監督代行の考えに「大谷を干そうとしているのではないか」という見方もあるが、メジャーリーグ評論家の福島良一氏は「メジャーでは一般的な考え方だ」と語る。
「ネビン監督代行は10月のポストシーズンを見定めているのでしょう。もちろんレギュラーシーズンで結果を残せないと進出できませんが、メジャーではレギュラーシーズンよりポストシーズン優先です。とくに今後は暑くなり体力の消耗も激しくなるので、大谷をポストシーズンで活躍させるためにもこうした休養は増えていくでしょう」
大谷の活躍を見る機会が減ることは残念だが、このネビン監督代行の「ポストシーズンを重視した起用」は、大谷の今後にも好影響を与えるかもしれない。大谷は来季終了後にFAになり、動向が注目されている。
メジャー移籍後4年連続でポストシーズンに進出できなかった昨季終了直後、大谷が「ファンも球団の雰囲気も好きだが、それ以上に勝ちたいという気持ちが強い」とコメントしたところ、米メディアで「移籍志願」と報じられ、大騒ぎとなった。
「マドン監督の解任が大谷の残留にマイナスに働く可能性はあるが、大谷の希望はチームの勝利と二刀流を続けられること。後者についてはネビン監督代行やGMも変わらないと明言しているので、鍵を握るのは今季、チームがポストシーズンに進出できるかどうか。進出できれば、自ずと契約延長に繋がるでしょう」(福島氏)
1度の休養が話題を呼ぶのはスターたる宿命か。
※週刊ポスト2022年7月1日号