NHK連続ドラマ『ちむどんどん』では、多くのキャラが人気を呼んでいるが、そのうちの1人が演劇評論家の淀川春夫を演じるベテラン俳優の本田博太郎(71才)だ。本田はこれまでも多くの話題作に出演してきた。どんな役柄を演じてきたのか? 本人に取材したこともあるコラムニストのペリー荻野さんが解説する。
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今、ドラマでもっとも出演シーンを待望されている俳優といえば、本田博太郎である。
先日、シリーズ完結した『警視庁・捜査一課長』では、大岩純一捜査一課長(内藤剛志)の上司・笹川刑事部長役。「捜査が難航しているようだな、大岩純一捜査一課長」とフルネームで大岩を呼んで鼓舞する笹川のシーンは、ドラマの名物のひとつだった。
笹川の姿は実に奇抜。バッティングセンターではなぜか審判姿で「ストライク!」と叫び、船の上では紅白の手旗信号で「何も言うな」とメッセージ。ターバン巻いてカレーをふるまったり、〇と×のクイズパネルを突き破って現れ、大岩らにクイズを出題。他にも宇宙服、ナポレオン、レンジャー、カヤック、突然、公園の池からずぶ濡れでできたり、ロッカーからバーンと出てきて、捜査員をびっくりさせたこともある。
ドラマの中で、こうした演出に使うレンタルハットや船の手配などを「さりげなーく雑費が嵩み、経理に認められれば」と思ったが、NGだったと笹川本人が告白するシーンまであったのには笑った。事件そっちのけで「本田博太郎待ち」を楽しんでいた人も多かったはずだ。そして、朝ドラ『ちむどんどん』でも、「博太郎待ち」は続く。
主人公の暢子(黒島結菜)が働くイタリア料理店の常連、演劇評論家の淀川春夫(本田)は、暢子に「この店の名前、アッラ・フォンターナ」の意味と由来は?」とあの独特の口調で尋ねる。まったく答えられない彼女に「よくそれで…」と呆れるが、その後、少し成長した暢子に「これからも頑張りたまえ」と声をかけるのである。料理がテーマのドラマでは、「誰が料理を評するか」は、物語の肝のひとつ。淀川先生は、ここぞと言うときに出てくる可能性が高い。楽しみだ。