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がん罹患リスクを調べる「遺伝子検査」 日本でのルールづくりはこれから

「遺伝子検査」で何がわかるか(イメージ)

「遺伝子検査」で何がわかるか(イメージ)

 日本人の死因の第1位であるがん。がんの発生と遺伝の相関関係は世界中で長年の研究課題とされてきた。家族や親類にがん患者がいる場合、「将来は自分も罹るのでは」と不安に思うかもしれない。

 そうしたなかで注目されるのが「遺伝子検査」だ。アンジェリーナ・ジョリーも検査をきっかけに乳がんや卵巣がんのリスクが高いとわかり、両側の乳房を予防的に切除する手術を受けた。

 現在、遺伝子検査は医療機関だけでなく、民間事業者の通信販売キットなどもある。病院で受ける検査と通販のキットに違いはあるのだろうか。

 医療経済ジャーナリストの室井一辰氏が語る。

「調べているものはどちらもDNAなので、病院も検査キットも同じです。ただ、病院での検査ががんのリスクに直結する『遺伝子変異』の有無をピンポイントで調べるのに対して民間のキットはもっと幅広く、アバウトに世界の最新論文を参照して『ある部位のがんリスクが5%高い』などと結果を示します。

 疾患のリスクをはっきり判断すると医師以外には認められていない“診断”になるため、統計データと検査結果を比較するかたちが取られているはずです。新しいタイプのサービスで、国によるルールづくりがこれからの段階ですが、消費者からの関心は高い」

 実際に複数の検査キットが、価格は安価なもので1万円台から販売されている。

 いずれも検査キットで唾液を採取して送ると、がんをはじめとする各種疾患のリスクの程度や、肥満や長生きなどその他の健康リスク、遺伝的なルーツを含む200~300程度の項目について、結果が文書やスマホのアプリ上に表示される。

「MYCODEヘルスケア」を販売するDeNA広報部が言う。

「MYCODEは検査キットで唾液を送ることで、遺伝型から体質、病気に関する傾向がわかります。病気は遺伝子と生活習慣の双方の影響で発症の有無やその程度が決まると言われています。

 病気を未然に防ぐため、検査で自分の遺伝型を知り、遺伝的に罹りやすい病気の傾向を学んだり、病気に罹らないための生活習慣の改善を行なうことが重要だと考えて検査を実施しております」

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