2年連続でグラミー賞にノミネートされ、YouTubeの登録者数は6830万人──世界を股にかけて活躍するBTSが広げた波紋はますます広がっている。6月14日、公式YouTubeチャンネルで、今後しばらく7人がソロ活動に専念していくと涙ながらに語ると、メディアは一斉に“活動休止”だと報道。その後、所属事務所の「HYBE」は、メンバーはソロプロジェクトに集中するだけで、活動休止ではないと訂正した。
ファンを嘆かせたのは、活動休止という“誤報”以上に、彼らが漏らした「疲れた」という本音だった。「彼らの気持ちは痛いほどわかります」と話すのは、韓国の芸能関係者だ。
「世界中を移動しながら活動していることもあって、スケジュールがとにかくタイトです。それがたたってここ数か月は、メンバーらの現場入りが遅れることもあった。それに休んだり遊んだりする時間がないので、会話の相手はメンバーのみ。仲は相変わらずいいですが、とにかく外部との接触が極端に少なく、息が詰まる思いをしていたようです」
14日の動画でも、RMはK-POPアイドルという在り方に疑問を呈していた。
「『韓国のアイドルというシステムは人間を成熟させない』と言ったのです。これに活動を通じて彼らの成長を見守ってきたつもりだったファンは、言葉を失いました」(前出・韓国の芸能関係者)
率直な告白が続いたが、1時間に及んだこの日の動画では明かされなかった事実もあった。それは、韓国に生まれ育った男性にとって避けては通れない兵役についてだ。
韓国では18才から28才までの健康な男性には、約20か月に及ぶ兵役の義務が課せられている。BTSではJIN(29才)が最年長ですでに28才を超えているが、まだその義務は果たしていない。それは、2020年に“BTS法”と呼ばれる法律が成立し、期限を2年間延長しているからだ。JINは今年12月に30才の誕生日を迎える。延ばしたはずのデッドラインはすぐそこまで迫っているのだ。
「この2年のうちにグラミー賞を受賞できれば、『世界で活躍するため』という大義名分のもと、兵役を免除される可能性がありました」(前出・韓国の芸能関係者)
しかし、グラミー賞には2年連続でノミネートされたものの、受賞には至らなかった。
「国の仕組みのために活動を休止すると発表したら、世界中のファンは韓国政府や韓国という国そのものを批判するでしょう。ソロとして活動していく以上、メンバーは国との関係を悪化させたくなかったのです」(前出・韓国の芸能関係者)
何はともあれ、活動休止は避けられた。ソロ活動に集中した後は、いままで以上の輝きを見せてくれるに違いない。
※女性セブン2022年7月7・14日号