韓国コンテンツ振興院の試算によると、2021 年の韓国コンテンツ輸出額は 5 年前の倍に相当する115億ドルに達するという驚きの結果になった。韓国コンテンツは今や日本だけではなく、世界中から注目される存在へと成長している。”女性に人気”というイメージが根強くあるが、実は男性でハマってしまう人も少なくないという。老若男女問わず人気が広がる理由は一体どこにあるのか? 韓国コンテンツ惹かれる男性たちの声を取材すると、意外な理由が明らかになった。
55歳の男性は目を輝かせながら「韓国ドラマは、僕の願望を叶えてくれるんです」と話す。
「コロナ禍で家にいる時間が増えたのでなんとなく見始めたら、『梨泰院クラス』にハマってしまった。以来延々と韓国ドラマを見続けています。時間がいくらあっても足りないですね。
なんといってもたまらないのは、主人公パク・セロイ(パク・ソジュン)を慕うヒロインのイソ(キム・ダミ)。彼女は頭が切れて仕事が猛烈にできる女性ですが、そんな彼女に『この人(パク・セロイ)を傷つけるやつはみんな潰すと心に誓った』と言われるセロイが、心からうらやましくて仕方ない。見ているだけでも『できる女に愛されたい』という欲求が満たされます(笑)」
「恋愛の勉強になる」と話すのは、56歳の男性だ。
「60代が目の前に見えてきた今、ふと人生を振り返り寂しくなる瞬間があるけれど、そんな時、人生の糧になってくれるのが韓国ドラマです。
特に恋愛モノは脳内で自分を主人公に置き換え、自分だったらヒロインに対してどこまで優しくなれるのかをシミュレーションして遊んでいます。現実的に使う使わないは別として……いつか訪れるかもしれない恋愛の勉強になる(笑)。
相手に対する敬意や美しい上下関係が描かれているのも韓国ドラマならでは。心に響くセリフも多く、テレビ画面を止めてセリフを携帯のメモに書き留めています。ふとしたときに見返すのも楽しみのひとつです」
「女性との会話を楽しむ最低限のマナー」と話す人も。51歳の会社員は、したり顔でこう明かす。
「韓国ドラマに個人的にハマっているというよりは、キャバクラやバーでのナンパの“和みトーク”に生かしています。『愛の不時着』も『梨泰院クラス』も、ぼくが見たのは3話まで。でもこれも作戦のうちです。女の子と話すとき、『まだ3話までしか見てない』っていうと、『えー!そこから面白くなっていくのに!』みたいな感じで、相手の話したい欲求がマックスになり、聞き役に徹することができるというわけ。これで結構、モテてますね」