水谷豊主演の人気ドラマ『相棒』の新シリーズに、“初代相棒”の亀山薫を演じた寺脇康文が出演することが発表された。予想外の名前に多くのファンが沸いた。『相棒』ファンというコラムニストで放送作家の山田美保子さんが、これまで浮上していた“5代目相棒”候補たちの名前とともに新作の注目ポイントについて綴る。
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中村倫也、山崎育三郎、尾上松也、松坂桃李、向井理、稲垣吾郎、長瀬智也、松下洸平、松田龍平、森田剛、福士蒼汰、竜星涼、町田啓太……。いずれも知名度が高く主演クラスのイケメン俳優ばかりである。彼らの共通点は、この半年程の間に、水谷豊主演のドラマ『相棒』(テレビ朝日系)の“5代目相棒”候補として名前が取沙汰されたことだ。
果たして23日早朝に情報解禁されたのは、まさかの寺脇康文。そう、2000年の放送開始から2007年までの8年にわたり、水谷の初代相棒を務めた「亀山薫」こと寺脇だったのである。
そういえば最近、平日午後の再放送では、寺脇出演のseason1~season7を多く見かけたような……。“匂わせ”だったのだろうか。いや、4代目相棒の反町隆史が昨年11月24日の放送で、寺脇の出演回数を抜くまで、“124回”の記録を保持していたことと、ファンの印象に残る「名作」が多かったからなのかもしれない。
“5代目相棒”について、テレビ朝日の局内では箝口令が敷かれていたという。当然、情報番組で話題にすることもタブーだった。それは筆者が出演する系列局のメ~テレ(名古屋テレビ放送)の『ドデスカ!』や『アップ!』などでも同様で、「週刊誌などで記事化されたものを扱うのはいいけれど」一般の方のSNSやネットニュースなどにアップされた荒唐無稽唐な話は「扱わないように」という暗黙の了解事項があった。つまり、好き勝手な予想はほどほどに…ということだ。
向井理、稲垣吾郎、福士蒼汰が有力視されたが…
それでも、何度か、“5代目相棒”予想を番組で取り上げた。冒頭に記した人気俳優の中で、頻繁に名前が取沙汰されたのは向井理、稲垣吾郎、福士蒼汰、そして町田啓太の4人。いずれもスーツがよく似合う長身のイケメンだ。向井や稲垣は華があるというだけでなく、近年、2枚目半の役どころも上手くこなしていて、3代目相棒の及川光博とキャラクターでかぶる部分があるとも言われた。だが、向井は7月8日に本公演が開幕する舞台『ハリー・ポッターと呪いの子』で藤原竜也、石丸幹二とトリプルキャストでハリー・ポッターを演じることが決まっている。10月開始の『相棒』とはスケジュールがドン被りであることから、今春、5代目相棒候補から名前が消えた。
稲垣は…というと、テレビ朝日では1998年と2000年に「土曜ワイド劇場『名探偵明智小五郎』」に主演。2013年にはKis-My-Ft2の玉森裕太主演の「金曜ナイトドラマ『信長のシェフ』」に特別出演、さらには2016年の『不機嫌な果実』に出演した印象が筆者には強い。だが、2017年9月、「新しい地図」として活動し始めてからはテレ朝のみならず、民放局のドラマ出演はまだゼロ。色々考え始めると、「ないのかなぁ?」という結論に至る。
そして福士蒼汰が「大本命」と言われ続けたのは、4代目相棒の反町隆史と所属事務所が同じだからである。筆者は2021年10月期、福士が綾野剛主演のドラマ『アバランチ』(関西テレビ・フジテレビ系)で県警刑事部長の息子で警察官を演じた際、3代目相棒の成宮寛貴と重ね合わせて見ていたこともあり、個人的にも本命視していたものだ。が、福士でもなかった。
最後に名前が出てきた町田啓太は、水谷豊の監督作品第3弾となる映画最新作『太陽とボレロ』に出演。水谷が町田のことを絶賛しているという記事が多く見られたり、PRのため、二人の対談なども行われたりした。その流れで5代目相棒説が急浮上したのである。が、7月期、『テッパチ!』(フジテレビ系)に主演する町田。スケジュール的に10月期の『相棒』出演は難しい。