国内

NHKも騙されていた 淫行で逮捕「トー横のハウル」の巧みなメディア統制

「ハウル・カラシニコフ」こと小川雅朝容疑者(本人の公式Twitterアカウントより)

「ハウル・カラシニコフ」こと小川雅朝容疑者(本人の公式Twitterアカウントより)

 新宿・歌舞伎町の「トー横」(新宿東宝ビル横)と呼ばれる一角で清掃活動や炊き出しを行なうボランティア団体「歌舞伎町卍会」の総会長を務める小川雅朝容疑者(32、職業不詳)が、16歳の少女に淫らな行為をしたとして東京都青少年健全育成条例違反容疑で警視庁に逮捕された。自らを「ハウル・カラシニコフ」と名乗った小川容疑者は、昨年12月、取材班に対して「行き場のない未成年の子供を救いたい」と話していたが、その実態は少女を狙う卑劣な男だった。

 歌舞伎町に詳しいライターの佐々木チワワ氏は、「面識がある」という小川容疑者についてこう語る。

「目立つ場所で活動しているし、SNSでの発信も盛ん。一見『いい人だよね』という印象を受けるんですが、元々トー横界隈にいた人たちからの評判はよくなかった。卍会は『悪い大人を追い払う』という名目で、多くの人間を広場から力ずくで“出禁”にしていました。『広場はハウルが仕切っているから面白くない』とバーやコンカフェに居場所を変える少女も多くいたし、『どうせハウルも手出してるでしょ』という話がトー横界隈で流れていました」

 一方で、メディアが取り上げてきたのは“表の顔”だった。

 NHKの報道ドキュメンタリー番組「クローズアップ現代+」の公式サイト上の記事「『トー横キッズ』~居場所なき子どもたちの声~」では、炊き出しを行なう小川容疑者を「子供たちに慕われている」と表現していた(NHKは逮捕を受けて小川容疑者に関する記述を削除)。これに限らず、好意的に取り上げるメディアが少なくなかった。佐々木が続ける。

「11月末の歌舞伎町ビル殺人事件を機に、『トー横』は全国的な問題として取り上げられ始めましたが、現地取材に行ったら目立つ場所にいるのは卍会のメンバーばかりでした。子供たちは基本的に大人が嫌いで取材を受けないけど、ハウルは積極的に取材を受けた。ある記者には『トー横関係で気になることあったら、いつでも俺んとこ聞きに来てください』と伝えていたそうです。私も彼から話を聞くことはありましたし、一部記者たちの“ネタ元”になっていたわけです。

 実際にあるメディアの取材でも、トー横の女の子が『ハウルさんも実際児ポ(児童ポルノ法違反)してる』と話していたんです。しかしそのメディアはハウルさんにも取材していて、映像チェックの際にハウルさんからチェックを受け否定されたため、該当箇所は使用できなかった。こういうケースが他にもあったのではないでしょうか」

 実際に昨年12月に小川容疑者と接触していた取材班も、「炊き出しのパスタ食いませんか」「LINE交換しましょうよ」と声をかけられていた。

「トー横」の闇は深い。

関連キーワード

関連記事

トピックス

フジテレビの第三者委員会からヒアリングの打診があった石橋貴明
《離婚後も“石橋姓”名乗る鈴木保奈美の沈黙》セクハラ騒動の石橋貴明と“スープも冷めない距離”で生活する元夫婦の関係「何とかなるさっていう人でいたい」
NEWSポストセブン
原監督も心配する中居正広(写真は2021年)
「落ち着くことはないでしょ」中居正広氏の実兄が現在の心境を吐露「全く連絡取っていない」「そっとしておくのも優しさ」
NEWSポストセブン
休養を発表した中居正広
【独自】「ありえないよ…」中居正広氏の実兄が激白した“性暴力認定”への思い「母親が電話しても連絡が返ってこない」
NEWSポストセブン
指定暴力団六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
〈山口組分裂抗争終結〉「体調が悪かろうが這ってでも来い」直参組長への“異例の招集状” 司忍組長を悩ます「七代目体制」
NEWSポストセブン
筑波大学の入学式に出席された悠仁さま(時事通信フォト)
「うなぎパイ渡せた!」悠仁さまに筑波大の学生らが“地元銘菓を渡すブーム”…実際に手渡された食品はどうなる
NEWSポストセブン
新年度も順調に仕事を増やし続けている森香澄
《各方面から引っ張りだこ》森香澄、“あざとかわいい”だけじゃない「実はすごいアナウンス力」、「SNSの使い方はピカイチ」
NEWSポストセブン
4月7日、天皇皇后両陛下は硫黄島へと出発された(撮影/JMPA)
雅子さま、大阪・沖縄・広島・長崎・モンゴルへのご公務で多忙な日々が続く 重大な懸念事項は、硫黄島訪問の強行日程の影響
女性セブン
女優の広末涼子容疑者が傷害容疑で現行犯逮捕された(左/時事通信フォト)
広末涼子の父親「話すことはありません…」 ふるさと・高知の地元住民からも落胆の声「朝ドラ『あんぱん』に水を差された」
NEWSポストセブン
SNSで出回る“セルフレジに硬貨を大量投入”動画(写真/イメージマート)
《コンビニ・イオン・スシローなどで撮影》セルフレジに“硬貨を大量投入”動画がSNSで出回る 悪ふざけなら「偽計業務妨害罪に該当する可能性がある」と弁護士が指摘 
NEWSポストセブン
筑波大学の入学式に出席された悠仁さま(撮影/JMPA)
悠仁さま、入学式で隣にいた新入生は筑附の同級生 少なくとも2人のクラスメートが筑波大学に進学、信頼できるご学友とともに充実した大学生活へ
女性セブン
都内にある広末涼子容疑者の自宅に、静岡県警の家宅捜査が入った
《ガサ入れでミカン箱大の押収品》広末涼子の同乗マネが重傷で捜索令状は「危険運転致傷」容疑…「懲役12年以下」の重い罰則も 広末は事故前に“多くの処方薬を服用”と発信
NEWSポストセブン
人気のお花見スポット・代々木公園で花見客を困らせる出来事が…(左/時事通信フォト)
《代々木公園花見“トイレ男女比問題”》「男性だけずるい」「40分近くも待たされました…」と女性客から怒りの声 運営事務所は「男性は立小便をされてしまう等の課題」
NEWSポストセブン