気質や性格、食文化などに違いが表れる県民性だが、女性の肌の状態にも特徴が見られるという。その差はどこからくるのだろうか。
昔から「秋田美人」「京美人」「博多美人」など、美人が多い地域があるといわれるが、「美人」の基準は個人や時代によって大きく変化する。一方、「美肌」に限ってみると、肌状態を数値データにすることができるため、地域による特性を解析することができる。その結果、美肌県第1位に輝いたのは石川県で、2年連続のトップだった。
これは、化粧品メーカー・ポーラが発表した「美肌県グランプリ2021」の結果。「美肌県グランプリ」とは、ポーラのパーソナライズドサービスブランド「APEX(アペックス)」が保有する約1970万件(2021年12月末時点)もの肌のビッグデータを活用したもので、2012年から毎年、“いい皮膚の日(11月12日)”に合わせて発表されている。
「日本全国の皆さんが、お住まいの地域の個性を知り、自分の肌を慈しむきっかけになってほしいという思いで開催してきました」と言うのは、同社のAPEXブランドマネージャー・佐々木雅之さんだ。
「2020年は1位石川県、2位が秋田県、2021年は1位石川県、2位山形県ですから、2年連続で日本海側の県が1、2位を取ったことになります。
これは、肌に大きな影響を及ぼすことがわかっている紫外線のリスクが低い地域であることが要因の1つと考えられます。それに加え、『睡眠不足』『パソコンやスマホの使用時間が長い』『冷暖房によくあたる』など、肌にとって注意すべきライフスタイルや、『冷えを感じやすい』『肩や首が凝りやすい』などの体調不良に当てはまる人の割合が低いことも、上位ランクインに貢献していると言えます」(佐々木さん・以下同)
たしかに、歴代の美肌県トップ3を見ていくと、過去5回も第1位を獲得している島根県をはじめ、日本海側の県が圧倒的に多いことがわかる。
「この10年ほどの間に、下位グループから上位グループへというような、大きな変化はありません。日照時間や水蒸気密度、気圧の変化など、住む地域の環境が肌に影響を与えているためと思われますが、年々その差が小さくなっていると感じます。その理由は、全国の皆さんが肌に合ったお手入れをきちんとされるようになったことが考えられます」
美肌総合賞1位の石川県はトップ3の常連県で、「金沢美人」「加賀美人」という言葉もある。
「特に『ハリ』『透明感』『刺激に対する抵抗力』は全国トップレベル。ライフスタイルでは、『睡眠不足』『紫外線によくあたる』と回答したかたが全国に比べると少ないという結果でした。睡眠は肌の細胞を育てるために重要な要素です。充分な睡眠により細胞が健やかに育っており、しっかりしたUVケアが美肌を作り上げているのでしょう。だから部門賞でも『水分量』『コラーゲン』『透明感』『タフ肌』と数多く受賞したのだと思います」