国際情報

中国軍が「弾道ミサイルの迎撃実験に成功」と発表 自国の核兵器防衛が目的か

中国国防省が弾道ミサイルの迎撃実験成功をHPで発表

中国国防省が弾道ミサイルの迎撃実験成功をHPで発表

 中国国防省は6月19日、自国領土内で弾道ミサイルの迎撃実験を実施し、「所期の目的を達成した」とホームページ上で発表した。その日のうちに発表された短い声明では、実験場所や実験システムの種類、迎撃されたミサイルなど詳しい情報は明らかにしていない。弾道ミサイル迎撃システムの開発は米軍が先駆けて進めているが、今回の実験で中国人民解放軍も米軍と対抗できるレベルであることが判明した。香港の英字紙「サウスチャイナ・モーニング・ポスト」が報じた。

 発表によると、実験場所は中国の国境内の陸上であり、このミサイル迎撃実験は「防衛的なものであり、どの国にも照準を合わせたものではない」としている。今回の実験は、2010年以来に中国が公表した6回目の陸上での弾道ミサイル迎撃実験で、2021年2月の実施に次ぐもの。

 中国人民解放軍のミサイル部隊に勤務していた軍事専門家、邵永嶺氏は実験の翌日の20日、中国国営の中央テレビ局の取材に対して「この技術は中国の核戦力を守るためのものだ。我が国の核戦力の開発は非常に限られており、今回の実験は核兵器を破壊しようとする敵軍の弾道ミサイルを撃ち落とすことが目的であることは明白だ」と指摘した。

 また、香港在住の軍事アナリスト、梁国良氏もサウス紙に対して、今回の実験は米軍がカリフォルニア州南部沖でオハイオ級潜水艦から非武装のトライデントII(D5LE)ミサイル4基の発射に成功したと発表した翌日に行われているとしたうえで、「この実験はワシントンに対する抑止力のメッセージでもある。中国には能力がある。米国だけが中国を攻撃できるわけではないことを明確に伝えているのだ」と解説している。

 これに先立って、中国の魏鳳和国防相(上将)は今月初め、シンガポールで行われた安全保障サミットで、中国が新しい核兵器の開発で「目覚しい進展」を遂げたと述べたうえで、「これは大きな核抑止力であり、戦争を防ぐのに有用である」としている。

関連キーワード

関連記事

トピックス

雅子さまが三重県をご訪問(共同通信社)
《お洒落とは》フェラガモ歴30年の雅子さま、三重県ご訪問でお持ちの愛用バッグに込められた“美学” 愛子さまにも受け継がれる「サステナブルの心」
NEWSポストセブン
一般女性との不倫が報じられた中村芝翫
《芝翫と愛人の半同棲にモヤモヤ》中村橋之助、婚約発表のウラで周囲に相談していた「父の不倫状況」…関係者が明かした「現在」とは
NEWSポストセブン
山本由伸選手とモデルのNiki(共同通信/Instagramより)
《噂のパートナーNiki》この1年で変化していた山本由伸との“関係性”「今年は球場で彼女の姿を見なかった」プライバシー警戒を強めるきっかけになった出来事
NEWSポストセブン
送検のため奈良西署を出る山上徹也容疑者(写真/時事通信フォト)
「とにかく献金しなければと…」「ここに安倍首相が来ているかも」山上徹也被告の母親の証言に見られた“統一教会の色濃い影響”、本人は「時折、眉間にシワを寄せて…」【安倍元首相銃撃事件・公判】
NEWSポストセブン
マレーシアのマルチタレント「Namewee(ネームウィー)」(時事通信フォト)
人気ラッパー・ネームウィーが“ナースの女神”殺人事件関与疑惑で当局が拘束、過去には日本人セクシー女優との過激MVも制作《エクスタシー所持で逮捕も》
NEWSポストセブン
デコピンを抱えて試合を観戦する真美子さん(時事通信フォト)
《真美子さんが“晴れ舞台”に選んだハイブラワンピ》大谷翔平、MVP受賞を見届けた“TPOわきまえファッション”【デコピンコーデが話題】
NEWSポストセブン
指定暴力団六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
《六代目山口組・司忍組長2月引退》“竹内七代目”誕生の分岐点は「司組長の誕生日」か 抗争終結宣言後も飛び交う「情報戦」 
NEWSポストセブン
部下と“ホテル密会”が報じられた前橋市の小川晶市長(時事通信フォト/目撃者提供)
《前橋・小川市長が出直し選挙での「出馬」を明言》「ベッドは使ってはいないですけど…」「これは許していただきたい」市長が市民対話会で釈明、市議らは辞職を勧告も 
NEWSポストセブン
活動を再開する河下楽
《独占告白》元関西ジュニア・河下楽、アルバイト掛け持ち生活のなか活動再開へ…退所きっかけとなった騒動については「本当に申し訳ないです」
NEWSポストセブン
ハワイ別荘の裁判が長期化している
《MVP受賞のウラで》大谷翔平、ハワイ別荘泥沼訴訟は長期化か…“真美子さんの誕生日直前に審問”が決定、大谷側は「カウンター訴訟」可能性を明記
NEWSポストセブン
11月1日、学習院大学の学園祭に足を運ばれた愛子さま(時事通信フォト)
《ひっきりなしにイケメンたちが》愛子さま、スマホとパンフを手にテンション爆アゲ…母校の学祭で“メンズアイドル”のパフォーマンスをご観覧
NEWSポストセブン
今季のナ・リーグ最優秀選手(MVP)に満票で選出され史上初の快挙を成し遂げた大谷翔平、妻の真美子さん(時事通信フォト)
《なぜ真美子さんにキスしないのか》大谷翔平、MVP受賞の瞬間に見せた動きに海外ファンが違和感を持つ理由【海外メディアが指摘】
NEWSポストセブン