臨床心理士・経営心理コンサルタントの岡村美奈さんが、気になったニュースや著名人をピックアップ。心理士の視点から、今起きている出来事の背景や人々の心理状態を分析する。今回は、新メンバー構想で注目を集める男性4人によるムード歌謡コーラスグループ「純烈」について。
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スーパー銭湯アイドル純烈の新メンバーに、芸能界を中心に様々な方面から応募が殺到しているという。メンバーの小田井涼平さんが年内いっぱいでグループを卒業するため、代わりとなる後任のメンバーを迎えると、リーダーの酒井一圭さん(47才)が4月末に構想を明かしたためだ。
これまでタレントの野々村真さん(58才)にJOYさん(37才)、楽しんごさん(43才)、大阪や名古屋など地方局のアナウンサーらが応募したと報じられた。芸能界でもうひと花咲かせたいタレントや、もっと自分を生かしてみたいと思う中年男性にとって、こんなチャンスは滅多にない。といって公募しているわけではなく、オーディションもないのだから、所属事務所に問い合わせる人が続々といるらしい。
条件は30~50代、身長が175cmから2m。ある程度歌って踊れて、「安いご飯をおいしく食べられるような素朴な人柄」というのが酒井さんのいう新メンバーとしての重要ポイント。けっこう緩い条件だけに、もしかして自分も? と夢見る人はそれだけ多くなったはずだ。言いかえれば、純烈はそれだけ夢を見ることができるグループだと感じた人が多いということだろう。
その理由を『女性セブン』では、ギャラとは別にファンからの”おひねり”があること、紅白に4年連続出場していることなどから、純烈を「優良企業」だと分析。
純烈を企業と捉えれば、確かに優良企業だ。歌って踊れる人材は揃っているし培ってきたブランド力もある。ムード歌謡のアイドルという希少性もあるし、グループとして他には真似できない雰囲気や文化もあれば、熱狂的なファンもいる。芸能界で競争優位に立てる経営資源・リソースをしっかり持っているのだ。さらに彼らが活躍してきた中心はスーパー銭湯という市場。経営学でいえば、競争の激しいレッドオーシャンではなく、競争相手の少ないブルーオーシャンであり差別化戦略もできていた。