「女王が君主でとても幸せ」「一生に一度の経験ができて本当に感激している」「これからも末永く、チャーミングなお姿を拝見したい」──ユニオンジャックを手に英ロンドンのバッキンガム宮殿前に集まった英国民たちは興奮した様子で口々にこう話す。
イギリスでは6月2日から4日間にわたり、エリザベス女王在位70年の祝賀行事、プラチナ・ジュビリーが開催された。空軍による儀礼飛行やパレード、祝賀コンサートなどが行われ、ロンドンはお祝いムードであふれた。
1926年4月21日、父のジョージ6世と母・エリザベス王妃の長女として生まれたエリザベス女王は、1952年にジョージ6世が56才の若さでこの世を去ったことに伴い、25才で即位。96才の現在も英国君主として君臨し、その在位期間は歴代最長を誇っている。英王室に詳しいジャーナリストの多賀幹子さんが解説する。
「“君臨すれども統治せず”をモットーに、政治には深く介入しないスタンスを持ちつつも、人と人、国と国とを結ぶ役割を果たしてこられました。加えてTwitterやインスタグラムなど最新のテクノロジーを駆使して、“開かれた王室”を作ってきた女王の貢献は計り知れません。今回のイベントでの経済効果は約1兆円といわれており、コロナ禍後の経済回復の起爆剤になることも予測されています」
平均寿命が約82才とされるイギリスにおいて、それを軽々と飛び越え、96才にしてなお国民からの愛に元気でチャーミングな姿で応え続けるエリザベス女王。衰え知らずの活躍ぶりの背景には門外不出の“超健康術”があった。
「モーニングルーティン」は日光浴、紅茶、入浴
《私の人生を常に奉仕にささげる》──そう誓って、25才の若さで一国の女王として君臨して以来、96才になったいまも公務を続ける女王の生活は、変わらないルーティンを保つことによって成り立っている。
「これまで約6000団体のパトロンを務め、2万1000件以上の公務をこなしてきた女王。起床する時間から夜眠るまで一日の流れはすべて決まっており、それに則った生活を送りながらも、常に新しい情報をアップデートする勤勉さも持ち合わせている。お母様のエリザベス皇太后も101才まで長生きしたため、そもそも“長寿家系”である可能性はありますが、健康を維持するためのご自身の努力が大きいのでしょう」(多賀さん)