日銀の黒田東彦総裁や細田博之衆院議長など最近、何かと世間を騒がせている政財界の大物を多数輩出する超名門校・筑波大学附属駒場高校、通称「筑駒」。受験界で“東の横綱”と呼ばれ偏差値80を超えるエリート養成学校だが、意外な道に進むケースもある。「政界」ではなく“性界”に進んだ2人による対談を開催!
1人は開学以来唯一の「AV男優」として活動する森林原人氏(43)。1999年のデビューから第一線で活躍し続ける森林氏の経験人数は1万人を超えたという。
そしてもう1人が、「女性向け風俗」の現役セラピストである奈央氏。女性向け風俗とは、男性セラピストが女性に性的サービスを行なう業態のこと。平日の日中は一流企業のエリート会社員である一方、週末を中心にセラピストとしても活動する。
超名門校に入学しながら、“超独自路線”を歩む2人は、なぜアダルト業界を選んだのか?
【全3回の第1回】
森林原人(以下、森林):僕らが出会ったきっかけはSNSでした。奈央君がツイッターで、僕の著書を紹介しながら「母校の先輩」と書いていたのを見て驚きました。僕は「筑駒出身のAV男優」を名乗っていますが、まさか同輩でアダルト業界に従事する人が現われるとは思いもしませんでしたから(笑)。初めて同志を見つけて嬉しかった。
奈央:いやいや僕が在校生の頃、森林さんは「先輩で男優になった人がいる」と有名でしたから、いつかお会いしたいと思っていたので感動しました。そもそもなぜ男優になったんですか?
森林:筑駒のなかには東大に入れる「安全圏(順位)」があるでしょ? でも僕は中高の6年間でその安全圏に入れるほどの学力がないことに気づいた。さらに大学受験に失敗し、一浪して入った専修大学でも筑駒出身のプライドが捨てられなかった。悶々と過ごした大学1年の夏に、やけくそで「男優募集」に応募したんです。奈央君はなぜ女性向け風俗の仕事を?
奈央:筑駒を卒業後、現役で一橋大学に入りました。高校の時は学年で80番くらいで、東大は現役だとギリギリという感じだったのでビジネスに興味があったこともあり、安全圏で商学部の強い一橋にしました。母親からは「東大に行ってくれ」と泣かれましたが(笑)。
卒業後はいくつか会社を渡り歩いて、いまはある上場企業に勤めていますが、最初に性産業に入ったきっかけは「お金」です。家の事情で多額の借金がありまして。何もなければ本業の収入だけで十分なんですけどね。