在位70年を迎えた英国のエリザベス女王(96才)。平均寿命が約82才とされるイギリスにおいて、それを軽々と飛び越え、96才にしてなお国民からの愛に元気でチャーミングな姿で応え続ける。衰え知らずの活躍ぶりの背景には、さまざまなマイルールがあるという。そのマイルールは当然ながら、食事内容にもおよぶ。
「朝食の時間は毎日8時半頃と決まっており、意識しているのはたんぱく質と野菜、果物を多めに摂ること。会食がない日のランチは魚のグリルか低脂質のチキンとサラダが多い。夜はじゃがいもやパスタといった炭水化物をさけた低糖質のメニューが多く、時にはあえて“野菜と果物だけの日”を作ることもあるそうです」(在英記者)
精神科医の渡邊宏行さんはこうした食事メニューを「非常に理にかなっている」と絶賛する。
「たんぱく質は筋肉を作る重要な栄養素。野菜や果物は三大栄養素ではありませんが、ビタミン・ミネラルが豊富に含まれるので、健康を維持するのに欠かせない食材です。
反対に米、パン、麺類、じゃがいもに含まれる炭水化物や脂質は必要な栄養素ですが、摂りすぎてしまえば生活習慣病のリスクが上がる。和食であれば基本的には炭水化物はお米だけですが、イギリス式の食事はサンドイッチやパスタ、つけ合わせのポテトなど炭水化物を使ったメニューが多い。あえて減らす意識は非常に大切です」(渡邊さん)
英国が誇るアフタヌーンティー文化のもと、女王も量は控えめだが、お菓子もよく口にする。なかでも大好物はダークチョコレートだ。
「ダークチョコレートが含有する植物由来のポリフェノールである『フラボノイド』には動脈硬化を防ぎ、脳機能を強化する働きに加え、精神を安定させる作用もある。健康長寿を目指すためにぴったりのおやつといえるでしょう」(渡邊さん)
公務を終えると毎日、寝る前に日記を書き、23時に就寝するエリザベス女王。休日は家族や愛犬のコーギーと過ごしたり、3才から習慣になっている乗馬を楽しむことが多いという。
《女王が犬や馬を好きなのは、自分が女王であることを知らない相手だからです》
45年にわたりエリザベス女王を撮り続けてきた英大衆紙『ザ・サン』のカメラマン、アーサー・エドワーズ氏は、女王の“動物愛”についてインタビューでこう答えている。
「動物と触れ合うことで得られるのは精神的な癒しはもちろん、目や手を使った非言語的コミュニケーションを取るため、脳が刺激され活性化し、それを継続することで認知機能も高まります。
加えて、年を重ねて健康でいるためには若い頃からの運動習慣がものをいう。ただしジョギングなど脚を酷使するものは骨折の原因になり、長く続けるのは難しい。そういった意味でも乗馬は継続しやすいです」(渡邊さん)