政財界の大物を多数輩出する超名門校・筑波大学附属駒場高校、通称「筑駒」。受験界で“東の横綱”と呼ばれ偏差値80を超えるエリート養成学校だが、卒業生のなかには「アダルト業界」に身を置く人物もいる。開学以来唯一の「AV男優」として活動する森林原人氏(43)と、「女性向け風俗」の現役セラピストである奈央氏、“超独自路線”を歩む2人が超名門校で学んだ教えとは?
【全3回の第3回。第1回から読む】
森林:筑駒の先生の教えで印象的な言葉ってある? 僕は今も胸に留めているのが、体育のO先生が言ってた「守破離」という考え方です。まずは正しいやり方を何度も繰り返し、それを破ってその教えから離れる。これは男優として仕事をするようになってからも、思い出す言葉だね。
奈央:僕もO先生に教わりましたけど、間違ったことを100回やったら間違ったことを覚えるから、根性論ではなく、「正しいやり方をまずは理解しろ」という先生の教えは女性向け風俗の仕事に活かされています。
森林:それは僕も同意ですね。ちなみに、女性向け風俗のサービスの流れってどんな感じなの?
奈央:まずは電話やLINEでご予約いただきます。その後、駅やホテルの現地などで合流して施術を行なうか、ご自宅に出張することもありますよ。まずは軽くカウンセリングと称して“どんなプレイをしたいか”や苦手なことを伺います。
森林:へ~! 女性からはどんな依頼が入るの?
奈央:「とにかく優しくされたい」とか「ズタボロに責められた後、甘々にしてほしい」とか本当に十人十色。でも基本的にはハグやもみほぐしなどから始めて、性感帯に触れる内容に展開する流れは同じです。
森林:やっぱり女性向け風俗の利用客は経験豊富な人が多いのかな?「快楽追求型」というか。
奈央:いえ、男性経験がほとんどないお客様も多くて、「気持ち良い感覚を味わってみたい」とリクエストをいただくこともあります。そういうお客様は、最初はハグするだけで石のように緊張してしまうこともあるので、時間をいっぱいかけて、快楽を感じられるところまで解いていきます。
逆に“男”としてギンギンに戦い続けている森林さんに伺いたいのですが、男性は加齢と共に勃起力の低下の壁にぶち当たり、そこで悩みますよね。これにはどうしたら良いと思いますか?
森林:勃起と発射へのこだわりを捨てることですね。外からの摩擦を求めるのではなく、相手と呼吸を合わせて触れ合って、自分の中にある感覚に意識を向けると、肉体的にも快楽を得られますから。
(了。第1回から読む)
【プロフィール】
森林原人(もりばやし・げんじん)/1979年生まれ、神奈川県出身。筑波大附属駒場高卒業後、1浪して専修大学。在学中の1999年にAV男優デビューし大学は中退。以後、第一線で活躍しており今年で男優歴23年、AV出演本数は1万本超。著書『AV男優森林原人のイケるSEX』(扶桑社)などの執筆や講演活動も精力的に行なっている。
奈央(なお)/東京都出身。筑波大附属駒場高卒業後、現役で一橋大学に入学。大学卒業後は外資系企業、スタートアップなどに勤務。現在は上場企業に勤める傍ら、女性向け風俗「アーメン東京」所属のセラピストとして活躍中。
※週刊ポスト2022年7月8・15日号