黒島結菜主演で話題を集めるNHK連続テレビ小説『ちむどんどん』。にわかに注目が集まっているのが、ヒロイン比嘉暢子の幼なじみ・砂川智を演じている前田公輝(まえだ・ごうき、31才)だ。コラムニストのペリー荻野さんが、朝ドラだけではなく前田のこれまでに出演作を振り返りながらその魅力に迫る。
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朝ドラ『ちむどんどん』では、ヒロイン暢子(黒島結菜)は智(前田公輝)から将来を考えたいと言われ、東洋新聞の和彦(宮沢氷魚)と愛(飯豊まりえ)は親公認の仲として結婚話が進展、やんばるでは暢子の姉・良子(川口春奈)が別居中の夫・石川(山田裕貴)のことを気にし、妹の歌子(上白石萌歌)は智のことが好き…と、すっかり「男女七人朝物語」といった形になっている。(ニーニー賢秀はあっさり失恋してしまいましたね…)
その中で、多くの人が「応援したい」と思うのは、智ではないか。やんばる時代は、家業の豆腐店でしっかり働きながら、食いしん坊の暢子のために、うまい豆腐をわけていた智。食品卸の仕事を学び、起業する志を持って上京、暢子の務める銀座のレストランにも配達などし、ついに夢をかなえて独立を決意。スーツ姿で暢子とデートし、胸の内を打ち明けたのだ。
まじめで努力家。人柄もよく、独立直後、高熱で倒れたときは、暢子は勤めを休んで看病し、配達などは沖縄県人会の面々が助けてくれた。なのに暢子の心には、和彦が…。
このドラマで前田公輝の好感度はどんどん上がっているのは間違いない。しかも、前田公輝には演技者としての引き出しがまだまだたくさんあるのである。
私が前田公輝に注目したのは、10年以上前。知る人ぞ知る人気番組『戦国鍋TV~なんとなく歴史が学べる映像~』だった。「史実からはみ出してはいけない」という厳しい縛りの中で、新進の若手俳優たちが、パロディ連発で笑わせたこの番組。人気コーナー「ミュージックトゥナイト」では、竹中半兵衛と黒田官兵衛の「兵衛’z」やPerfume風の浅井三姉妹などが自らの人生をポップに熱唱した。