異例の早さで梅雨明けし、東京は6月25日~7月3日に観測史上最長の9日連続猛暑日を記録するなど、記録的な暑さが続いている。汗やニオイに関する悩みが増える時期だが、同時に「頭髪の悩み」が旬を迎えるという。Dクリニック新宿院長の小山太郎医師が語る。
「夏場は『最近抜け毛が多いから見て欲しい』という患者が増えます。英国の研究でも『8月から10月は抜け毛が多くなる時期である』という結果が報告されており、一年を通じても夏場の頭皮ケアや薄毛対策は特に大事です」
発毛剤の「スカルプDシリーズ」などを扱うアンファー株式会社のPR担当もこう話す。
「直近2か月でのウェブサイト上の『抜け毛』というキーワード検索は、昨年3月の約2倍の数値となっている。夏場は頭髪が汗やにわか雨で濡れ、薄毛が目立ってしまうシーンが多いということも影響している可能性はあります」
抜け毛の原因は様々だが、強い紫外線の影響も指摘されている。
「頭皮は顔に比べて高い位置にあることで、浴びる紫外線量は顔の3倍にもなると言われています。頭皮の細胞が破壊されることはもちろん、頭皮が酸化し硬くなってしまい、血行が悪くなって抜け毛の進行に繋がる。
対策としては外出時に通気性のいい帽子を被ったり日焼け止めスプレーをこまめに使うなどありますが、意外なところでは定期的に髪の分け目を変える『分け目チェンジ』が重要。いつも分け目が同じだと特定の箇所が多く紫外線を受け、分け目の部分から薄毛が進行する可能性があります。分け目を一定にしないことで頭皮へのダメージの蓄積は防げます」(小山医師)
紫外線が届かない屋内にも、抜け毛進行リスクは潜んでいる。
「室内でデスクワークをしている方など、会社や自宅のクーラーを一日中浴びている方も注意が必要です。涼しい環境でクーラーをずっと浴びていると頭皮の乾燥を招く恐れがあり、夏場の抜け毛が多い原因のひとつになっている。一日中室内にいる場合は、シャンプーの後に頭皮の保湿成分のあるコンディショナーなどを併用することが望ましい」(同前)
“恐怖の季節”を、正しいケアで乗り越えたい。