時代とともに変わっていくのが学校。昭和や平成の“学校の常識”が、令和では非常識になっていることもある。かつては定番だったが、現在はなくなった“定番の学校アイテム”を紹介する。
【名札】
2003年の個人情報保護法の施行や、全国的に多発する登下校時の連れ去り事件などの影響で、名札を付けないようになった。
【あだ名】
あだ名は、人との距離を縮めてくれるが、いじめを誘発する面もあるとして、「さん付け」で呼ぶように指導。
【連絡網】
2003年の個人情報保護法の施行やプライバシーへの意識の高まり、メールの普及から、連絡網を作らない学校が増えた。
【チャイム】
生徒が自主的に行動できるよう「ノーチャイム制」を取る学校が増えている。近隣への騒音対策の側面も。
【牛乳瓶】
衛生面や安全対策のため1970年代から牛乳メーカーが紙パックに切り替え、1985年に瓶と逆転。現在では約8割の学校給食が紙パックに。
【アルコールランプ】
爆発や引火の危険性があるとし、マッチやライターが不要の、理科実験用ガスコンロを採用。
【石綿網】
石綿は吸入すると肺がんの原因になるとされ、1980年代半ばから使用されなくなり、現在はセラミックが主流。
【消石灰】
運動場のライン引きなどに使用されていた「消石灰」は強いアルカリ性で、目に入ると失明のリスクもあるため、2007年に文部科学省から改善通知が出された。
【組み体操】
後遺症の残る事故やけがが多発。そもそも文科省が定める学習指導要領にないため、近年行わない学校が増えている。
【うさぎ跳び】
下半身の筋力強化に効果的とされた「うさぎ跳び」。スポーツ医学の発達により、疲労骨折を誘発すると問題視され、1980年代頃から禁止が叫ばれ、1990年代にはほぼ見られなくなった。
【飛び込み台】
頸椎損傷などの事故が多発。国は学習指導要領を改定し、小学校は2011年度から、中学校は2012年度から飛び込みを禁止に。
【腰洗い槽】
厚生労働省の「遊泳用プールの衛生基準について」において、「腰洗い漕」の項がなくなり、2001年頃から撤去が進んだ。文科省の「学校環境衛生管理マニュアル」にも、循環ろ過機付きプールであれば、適切なシャワーで充分とある。
【焼却炉】
焼却時にダイオキシンが発生するという近隣などの苦情を受け、1990年代後半から消えていった。
取材・文/前川亜紀
※女性セブン2022年7月21日号