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元騎手・蛯名正義氏「新馬戦はだいたい牡馬は意気地なし、牝馬が勇敢」

「僕は跨がっていただけ」の真意とは

「だいたい牡馬は意気地なしで牝馬が勇敢」のワケは?

 1987年の騎手デビューから34年間にわたり国内外で活躍した名手・蛯名正義氏が、2022年3月に52歳の新人調教師として再スタートした。蛯名氏の週刊ポスト連載『エビショー厩舎』から、牝馬の勇敢さについてお届けする。

 * * *
 毎週のように2歳新馬戦が行なわれており、競馬ファンにとってはお昼過ぎの楽しみになっていると思います。

 僕の厩舎からも先月1頭デビューさせました。ミッキーアイル産駒のランドオブラヴという牝馬で、現役時代にダンスウイザードやラズベリータイムでお世話になった広尾サラブレッド倶楽部の馬です。今年はドバイターフ(GI)でパンサラッサが、バスラットレオンがゴドルフィンマイル(GII)を勝つなど、いまとても勢いのある一口馬主クラブです。

 あまり体がない(デビュー時418キロ)のですが、スピードはありそうだったので芝の1400mに使いました。3番人気に支持されましたが結果は8着。松岡正海騎手によれば「調教などでも1頭になるとフラフラしてしまうところがあるので、もう少し体力をつけてくれば」とのことでした。放牧に出して立て直します。

 蛯名正義厩舎の2歳馬で注目されているのはアスパルディーコでしょうか。2009年のデビューから19戦のうち18回も僕が騎乗して7勝、うち3歳牝馬三冠を始めGI5勝という成績を残してくれたアパパネの子。母親になってからも第4子にあたるアカイトリノムスメが秋華賞で母娘GI馬になっています。

 アスパルディーコはその2つ下の妹で父親はブラックタイド。バスク語で「長らく会っていなかった友人に会う喜び」という意味だそうで、母娘とも託していただいた金子真人オーナーにはとても感謝しています。

 初めて会った時、アパパネに似たオーラを感じました。ああ、みんなに可愛がられて育ったんだな、と。実際かわいいんですけど、人間によく触られているんだろうという印象。でもおとなしいだけじゃなくて、気持ちの強いお嬢さまという感じです。僕もちょっと乗ってみましたが、本当に雰囲気のある馬です。入厩してゲート試験には合格しましたが、いまはデビューさせる時期ではないと思ったので、すぐに牧場に返しました。

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