安倍晋三・元首相が7月8日、奈良県で街頭演説中に銃で撃たれ死亡した。警察は現場にいた奈良市に住む職業不詳の山上徹也容疑者(41)を殺人未遂の疑いで現行犯逮捕。現場で押収された銃は手製の銃だとみられている。安倍氏が3メートルという至近距離で首の右側を打たれていたことから、「演説中の警備体制が十分ではなかったのではないか」という声が上がっている。
大手紙社会部記者はこう語る。
「今回、奈良での演説は前日に決まったものだった。そのため、奈良県警の警察官と警視庁のSP複数人が対応に当たったものの、通常より数は少なかった。さらに背後を狙われたため、銃を構えた容疑者の姿にSPらが瞬時に反応できなかったようです。1発目から2発目の間には数秒の時間差があったにもかかわらず、安倍元総理に当たるのを防げなかった」
実は、7月9日に福井市で行なわれるはずだった演説でも、元総理という立場を考慮したいわゆるVIP対応の警備体制ではなく、通常の警備が予定されていたという。福井県警関係者はこう話す。
「安倍氏は9日、福井の自民党公認候補の応援演説に入る予定でした。候補者は前半はリードしていたものの、元立憲民主党県代表の無所属候補に猛追されていたため、福井県連が焦って安倍氏に応援の要請をしたようです。急遽要請したため、警備体制は通常の警備の予定でした」
警察関係者はこう言う。