世界経済フォーラムの『観光魅力度ランキング』で初の世界一に輝いた日本。いまや世界の旅行者が注目する日本だが、国内ではどこが最も魅力的な地域なのか?
そこで注目したのが、ブランド総合研究所が2021年10月に発表した「都道府県の魅力度ランキング」。これは全国約3.5万人による大規模な消費者調査であり、47都道府県を1位から47位まで順位づけすることでも知られる。
「コロナ禍で地域への関心度が高まった2021年の調査では、全体的に平均点が上がりましたが、結果は全国で最も魅力的な都道府県は13年連続で北海道。それに続く2位が京都府で3位が沖縄県でした」
と話すのはブランド総合研究所代表・田中章雄さんだ。
「トップ10で注目なのは、前年の11位から8位に上がった長崎県の伸びです。鉄板ともいえる強さの北海道・京都府・沖縄県を含む10位内に食い込んできたのはすごいこと」(田中さん・以下同)
長崎県は2015年にも前年10位から5位に魅力度がジャンプアップしており、長崎県は何かのきっかけで急上昇するポテンシャルを常に秘めた県といえるかもしれない。
「今回上がった理由に、今年9月開業の長崎新幹線こと西九州新幹線への期待という新幹線効果が大きいのかもしれません。もともと異国情緒豊かなので、コロナ禍で海外に行けないなか、軍艦島などの『明治日本の産業革命遺産』や『潜伏キリシタン関連遺産』という2つの世界遺産を有する長崎県への観光意欲度が急上昇しています」
「魅力度の伸びが大きい都道府県」トップ10では、前年コロナ禍で大きく魅力度を下げ、それが戻ったところが大半。そんななか実質的な伸びが注目されるのは、前述の長崎県と宮崎県、千葉県の3県だ。
「このなかで宮崎県はもともと気候がよくて食べ物がおいしい上に、ゴルフやマリンスポーツができる土地柄。県民の幸福度が高く、移住意欲度も高い点が、殺伐としたコロナ禍の時代に魅力度を増したといえるでしょう」