自民党の圧勝に終わった参院選。7月10日の開票間もなくから各選挙区で次々と当確が打たれる中、自民・立憲・維新の三つ巴の大激戦となった京都選挙区(定数2)では、23時前に自民党新人の吉井章氏に最初の当確が出たが、立憲民主党現職の福山哲郎氏と日本維新の会新人の楠井祐子氏が争う2つ目の議席は最後までもつれた。
その頃すでに全国的には「自民圧勝、維新伸長、立憲敗北」という大勢が見えており、NHKの全国放送では各党党首・幹部らに選挙後の政局について訊ねるインタビューが行われていた。
そうした流れの中で維新・松井一郎代表との中継が繋がったのは23時10分頃。松井氏はその約3時間前に開いた記者会見で今夏の党大会での代表辞任を表明したばかりで、今後の維新の舵取りや自身の活動についてどんな発言をするか注目が集まった。
だが、関西地域(大阪、京都、滋賀、奈良、和歌山、兵庫)では最初のQ&Aが終わる前に画面が大阪放送局のスタジオに切り替わった。松井氏のインタビューが始まるのとほぼ同じタイミングで、NHKは京都選挙区で福山氏に当選確実を打ったからだ。
画面にはテロップで「京都・福山氏に当確」の文字とともに、キャスターも説明を始める。京都各地の投票所での出口調査をもとに、各党支持者の投票行動の詳細な分析・解説が行なわれた。それから数分後、画面は福山事務所に切り替わり、福山氏が支持者とグータッチする様子が流れ、立憲民主党の山井和則・衆院議員や福山氏の挨拶まで中継は20分近く続いた。再び大阪放送局のスタジオに画面が戻ってからも、「福山氏は関西の選挙区唯一の立憲の議席を守った」といった解説が続いた。