国内

安倍元首相銃撃事件 容疑者はなぜ容易に背後に近づき発砲できたのか

騒然とする近鉄大和西大寺駅前。2022年7月8日午後(時事通信フォト)

騒然とする近鉄大和西大寺駅前。2022年7月8日午後(時事通信フォト)

 警察や軍関係、暴力団組織などの内部事情に詳しい人物、通称・ブラックテリア氏が、関係者の証言から得た驚くべき真実を明かすシリーズ。今回は、安倍晋三元首相への銃撃事件から考える要人警護について。

 * * *
 安倍晋三元首相が参院選の応援演説中、凶弾に倒れた。場所は、奈良市近鉄大和西大寺駅前の交差点内で、ガードレールで囲まれた一角。報道によると、選挙の演説で度々使われていた場所だという。事件を受け、警備警護体制の問題点が様々指摘されているが、容疑者がなぜ容易に安倍氏に近づき、発砲できたのか、複数の警察関係者に意見を聞いた。

 当時の様子を撮影した映像などによると、逮捕された山上徹也容疑者は、安倍氏の背後、斜め後方の歩道から車道を渡りゆっくりと安倍氏に近づいた。容疑者の他に車道を渡る人はいない。明らかに不審な動きをしているように見えるが、警護要員らに目立った動きはみられない。警備警護を行っていたのは安倍氏に同行していた警視庁SP(セキュリティ・ポリス)1人の他、奈良県警の私服警察官も含めた十数人だったと言われている。警備計画や要員の配置は奈良県警が担っていた。

 続けて映像をみると、SPらしき1人の警察官がもう1人に近づき、何かを耳打ちしている。そして容疑者は、ゆっくり歩きながら、肩から下げていた黒いカバンに手を入れ、中から黒いテープで巻かれた手製の大きな銃を取り出すと、安倍氏にそれを向けた。そして発砲した。

「ドーン」という爆発音とともに真っ白い煙が上がる。その距離わずか数メートル。演説を聞くために集まっていた人たちは、何が起こったのかわからなかっただろう。容疑者はそのまま3歩4歩と安倍氏に向かって進んでいった。安倍氏の周りにいた人たちが音の方を振り向く。その間、約3秒ほど。その3秒間に身を挺して安部氏をかばい、押し倒して地面に伏せさせた者はいなかった。

 振り向いた安倍氏に向かって、容疑者がもう一度発砲する。その瞬間、2~3人のSPとみられる者たちがガードレールを飛び越え、容疑者の元へ走った。容疑者を取り押さえ、地面にねじ伏せる。続いて4人ほどがガードレールを飛び越え制圧された容疑者へと走っていった。

関連キーワード

関連記事

トピックス

被害者の手柄さんの中学時代の卒業アルバム、
「『犯罪に関わっているかもしれない』と警察から電話が…」谷内寛幸容疑者(24)が起こしていた過去の“警察沙汰トラブル”【さいたま市・15歳女子高校生刺殺事件】
NEWSポストセブン
NHKの牛田茉友アナウンサー(HPより)
千葉選挙区に続き…NHKから女性記者・アナ流出で上層部困惑 『日曜討論』牛田茉友アナが国民民主から参院選出馬の情報、“首都決戦”の隠し玉に
NEWSポストセブン
豊昇龍(撮影/JMPA)
師匠・立浪親方が語る横綱・豊昇龍「タトゥー男とどんちゃん騒ぎ」報道の真相 「相手が反社でないことは確認済み」「親しい後援者との二次会で感謝の気持ち示したのだろう」
NEWSポストセブン
フジテレビの取締役候補となった元フジ女性アナの坂野尚子(坂野尚子のXより)
《フジテレビ大株主の米ファンドが指名》取締役候補となった元フジ女性アナの“華麗なる経歴” 退社後MBA取得、国内外でネイルサロンを手がけるヤリ手経営者に
NEWSポストセブン
「日本国際賞」の授賞式に出席された天皇皇后両陛下 (2025年4月、撮影/JMPA)
《精力的なご公務が続く》皇后雅子さまが見せられた晴れやかな笑顔 お気に入りカラーのブルーのドレスで華やかに
NEWSポストセブン
2024年末、福岡県北九州市のファストフード店で中学生2人を殺傷したとして平原政徳容疑者が逮捕された(時事通信フォト)
《「心神喪失」の可能性》ファストフード中学生2人殺傷 容疑者は“野に放たれる”のか もし不起訴でも「医療観察精度の対象、入院したら18か月が標準」 弁護士が解説する“その後”
NEWSポストセブン
被害者の手柄さんの中学時代の卒業アルバムと住所・職業不詳の谷内寛幸容疑(右・時事通信フォト)
〈15歳・女子高生刺殺〉24歳容疑者の生い立ち「実家で大きめのボヤ騒ぎが起きて…」「亡くなった母親を見舞う姿も見ていない」一家バラバラで「孤独な少年時代」 
NEWSポストセブン
6月にブラジルを訪問する予定の佳子さま(2025年3月、東京・千代田区。撮影/JMPA) 
佳子さま、6月のブラジル訪問で異例の「メイド募集」 現地領事館が短期採用の臨時職員を募集、“佳子さまのための増員”か 
女性セブン
〈トイレがわかりにくい〉という不満が噴出されていることがわかった(読者提供)
《大阪・関西万博》「おせーよ、誰もいねーのかよ!」「『ピーピー』音が鳴っていて…」“トイレわかりにくいトラブル”を実体験した来場者が告白【トラブル写真】
NEWSポストセブン
運転席に座る広末涼子容疑者
《広末涼子が釈放》「グシャグシャジープの持ち主」だった“自称マネージャー”の意向は? 「処罰は望んでいなんじゃないか」との指摘も 「骨折して重傷」の現在
NEWSポストセブン
大阪・関西万博が開幕し、来場者でにぎわう会場
《大阪・関西万博“炎上スポット”のリアル》大屋根リング、大行列、未完成パビリオン…来場者が明かした賛&否 3850円えきそばには「写真と違う」と不満も
NEWSポストセブン
真美子さんと大谷(AP/アフロ、日刊スポーツ/アフロ)
《大谷翔平が見せる妻への気遣い》妊娠中の真美子さんが「ロングスカート」「ゆったりパンツ」を封印して取り入れた“新ファッション”
NEWSポストセブン