奈良県奈良市で遊説中の安倍晋三・元首相(享年67)を銃撃して逮捕された山上徹也容疑者(41)は、宗教団体への恨みなどをSNSに繰り返し投稿していた。山上容疑者は事件直前、安倍氏の殺害を示唆する手紙をルポライターに送っており、そこからTwitterアカウントの存在が判明した。
7月19日現在、当該アカウント「silent hill 333」は、Twitter社によってアカウントが凍結され、閲覧できない状態となっている。一体どんな内容が書かれていたのか。
「2019年から投稿を続けており、〈オレが14歳の時、家族は破綻を迎えた〉や〈オレは母を信じたかった〉といった自身の家庭環境に関するツイートや、政治やニュースに物申すようなツイートが多かったです。安倍政権に批判的な立場というより、むしろ一定の評価はしていたようで、“ネトウヨ”を自称するツイートもありました。
また、2019年の時点で〈オレが憎むのは統一教会だけだ。結果として安倍政権に何があってもオレの知った事ではない〉といった投稿もしています」(全国紙記者)
山上容疑者は、2019年に公開された映画『ジョーカー』に感情移入していたようだ。同映画は、善良な道化師が貧困と病気に悩み、悪の道に進むまでを描いた物語だ。山上容疑者は『ジョーカー』の感想を複数回ツイートし、〈ジョーカーという真摯な絶望を汚す奴は許さない〉とつづっていた。また、〈この時代のこの人の輝きが永遠に残って欲しい思う〉と歌手・鬼束ちひろのヒット曲『月光』の動画を紹介している。
山上容疑者のツイートに注目が集まる中、「silent hill 333」というアカウント名についても話題に上っている。2003年にコナミから発売されたホラーゲーム『サイレントヒル3』との関連がまことしやかにささやかれているのだ。
「『サイレントヒル3』は、ホラーゲームの金字塔として名高い『サイレントヒル』シリーズの第3作目です。累計840万本を超える大ヒットシリーズなので、たしかに山上容疑者がこのゲームのことを知っていた可能性はあります。
『サイレントヒル3』はカルト教団をテーマにした物語で、ヒロインは教団をめぐる因縁を断ち切るために信者と戦います。親子愛も大きな要素のひとつで、前向きで感動的なラストではあるのですが、山上容疑者は何か彼なりの受け止め方をしてしまったのかもしれません」(全国紙記者)
もちろん、上記に挙げた作品やアーティストに事件の責任は全くない。ただ、日本を揺るがした大事件の容疑者であるだけに、“山上徹也とはどんな人間だったのか”に強い関心が持たれ、彼が言及したり、関係していそうなコンテンツにも注目が集まっているということなのだろう。
山上容疑者の内面についても、今後の供述で明らかになっていくはずだ。