本誌・週刊ポスト(6月24日号)で18歳の女子大生との“パパ活飲酒”報道が出るやいなや、自民党を離党して国会を休み、1か月以上も雲隠れしていた吉川赳・衆院議員。ようやく説明責任を果たすのかと思いきや、選んだのは記者会見ではなく自身のブログでの弁明だった。【前後編の後編。前編から読む】
今回、吉川氏は「マスコミに一部が切り取られる可能性があるため」に、会見ではなくブログでの弁明にしたというが、5200文字の長大な反論を展開しながら、吉川氏自ら大きく「切り取った」部分がある。
吉川氏の反論から抜け落ちているのが、焼き肉店の後の行動だ。5月27日、19時20分に食事を切り上げた2人は店を出た。エレベーターで降りて一緒に乗り込んだタクシーはお台場の高級ホテルに向かった。
吉川氏はXさんとの飲食は〈同伴〉が目的だったと強調したが、高級ホテルで吉川氏がチェックイン手続きを済ませると、ロビーのソファーに座っていたXさんが少し距離を置いて歩き、2人はエレベーターで上ると「1236号室」に姿を消した。それから1時間半ほど滞在した2人は、再びホテルのロビーに降りて、タクシーに乗った。
後日、本誌が事実確認のためXさんを直撃すると、吉川氏と高級ホテルに行った経緯についてこう説明した。
「4万円のお小遣いをいただいて、バーに行くだけだからって……。バーだったはずがホテルの部屋で飲むと言われて。何も考えずについて行ってしまった私が悪いんです」
ホテルの部屋で何をしていたのか、記者が重ねて問うとこう答えた。
「ルームサービスでお酒を頼んだあと、すぐに吉川さんにベッドで服を脱がされて……。私、経験がなかったから、怖くて過呼吸になってしまい。経験がないからと何度も拒否をしたら、『胸を見せて』と言われて、吉川さんは私を見て自慰行為を始めて……。私、断わるのが苦手で。部屋に行った私が悪いんだとわかっています。本当にごめんなさい」
Xさんの証言が事実なら、吉川氏は密室で性加害といえる行為をしていたことになる。
吉川氏は本誌の電話取材に対して、「ホテルに行っていない」「(焼き肉店にいた女性と)同じ女性のわけないじゃないですか」と説明した後も、女性とホテルにいたことについて「食事はしました」「食事ではなくお酒をね、バーに行こうと思って」「バーは確かやってなかったんで、和食の所がありますよって言われてフラフラ歩いていたってことはありますよ」と主張を二転三転させた。ホテルに1時間半ほど滞在したことについては、記者が写真もある旨伝えても「こっちも断言します」と言い、「部屋には入っていない。20分くらいフラフラして帰った」と答えた(記者に「女の子は何て言ってるんですか?」と尋ねてきたことも付記しておく)。
また、その後の書面回答では〈食事の後にもう少し飲もうということで隣接したホテル内の店舗を探したのは事実ですが、客室を取った事実もありませんし、まして客室に滞在した事実も一切ありません〉と主張し、汐留の焼き肉店からお台場にタクシーで移動していたのに「隣接したホテル」と虚偽の回答をしていた。
今回のブログでの弁明では、お台場の高級ホテルでのことについては一切触れずに、〈タクシーを飛ばして向かったお台場〉と移動したことだけは認めている。
吉川氏が会見での説明を避けたのは、このホテルでの出来事について質問されても答えられないからではないのか。