芸能

高田文夫氏が出会った長い付き合いの人々 斎藤清六、夏木ゆたか、大川豊の近況

斉藤清六、夏木ゆたか、大川豊らとの付き合いを語る

斉藤清六、夏木ゆたか、大川豊らとの付き合いを語る(イラスト/佐野文二郎)

 放送作家、タレント、演芸評論家、そして立川流の「立川藤志楼」として高座にもあがる高田文夫氏が『週刊ポスト』で連載するエッセイ「笑刊ポスト」。連載400回目となった今回は、斉藤清六、夏木ゆたか、大川豊など古い付き合いの人々について綴る。

 * * *
 めでたいな、400回とはめでたいな。金田正一400勝。原稿用紙は400字。無敗の男、ヒクソン・グレイシー400戦。「四百四病(人間がかかる病気の総称)より、貧ほど辛いものはなし」。昔の人はうまいこと言う。どんな病気よりも貧乏の方が辛いとさ。「貧乏今なし」というけれどどんどん心まで貧しくならないよういま考えたコピー。「貧乏のそばにはいつでも週刊ポスト」。ン? 駄目? 勉強しなおして……さぁめざせ500回である。500回やればおよそ10年。そこまで頑張る74歳。

 近頃同世代にばかり会う。明治座の吉幾三公演見に行けば数十年ぶりに斉藤清六にバッタリ。「あたしはネ、週刊誌読んでるし、ラジコで全部聞いてるから。暮らし? 御覧の通り呑気な暮らしぶりよ、心配しないで」だと。同い年がこうして動いててくれるだけでホッとする。米屋の息子だから、昔はよく私にプラッシーくれたっけアハハ。『プラン75』と心の中でつぶやく。

 今日のラジオは久しぶり同い年の夏木ゆたか呼ぶも興奮してしゃべりまくる。しまいには「ポスト毎週毎週読んでんだけど、どうでもいいような芸人とか出てくるけど、大センセー、何で一度も私のこと書かないの!?」と言うので「読者が喜ばないから」と捨て台詞でCMへ。「クゥ~~」泣きくずれる夏木、40年以上前、私が台本を書いてキャップが三波伸介の『スターどっきり 報告』でレポーターをやってもらっていた。古い仲間ではある。

 明け方に水道橋博士が受かった選挙。総括をしてもらおうともっとも信頼するジャーナリスト兼芸人・大川興業大川豊総裁に来てもらった。選挙毎にウォッチャーとして秀逸な意見を小さなメディアで吐く大川。あの江頭2:50を生み出した大川、年齢は60だと。

 若手育成のライブ「すっとこどっこい」も30年を超えた。東京では渡辺正行のラ・ママが有名だが大川もずっとやっているのだ。頭が下がる。「まだそんなことやってんのか」と言ったら、一瞬マジな目になり「若い時、高田センセーが自分に“笑いはイデオロギーを超える”と教えてくれたんですよ。このひと言を頼りに今日までやってきました」だと(不思議な味)。

 私は心の中で“池袋生まれ三大奇人”を作る。山下達郎、神田伯山、大川豊。個性がキラキラ。才人。なかなか人は池袋では生まれない。

 明大の学生だった頃、私のところへもうひとりの男とやってきては「明治の大川です」「早稲田の小暮です」とネタをみせた。数年後2人は「総裁」と「閣下」になっていた。

※週刊ポスト2022年8月5・12日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

精力的な音楽活動を続けているASKA(時事通信フォト)
ASKAが10年ぶりにNHK「世界的音楽番組」に出演決定 局内では“慎重論”も、制作は「紅白目玉」としてオファー
NEWSポストセブン
2022年、公安部時代の増田美希子氏。(共同)
「警察庁で目を惹く華やかな “えんじ色ワンピ”で執務」増田美希子警視長(47)の知人らが証言する“本当の評判”と“高校時代ハイスペの萌芽”《福井県警本部長に内定》
NEWSポストセブン
ショーンK氏
《信頼関係があったメディアにも全部手のひらを返されて》ショーンKとの一問一答「もっとメディアに出たいと思ったことは一度もない」「僕はサンドバック状態ですから」
NEWSポストセブン
悠仁さまが大学内で撮影された写真や動画が“中国版インスタ”に多数投稿されている事態に(撮影/JMPA)
筑波大学に進学された悠仁さま、構内で撮影された写真や動画が“中国版インスタ”に多数投稿「皇室制度の根幹を揺るがす事態に発展しかねない」の指摘も
女性セブン
奈良公園と観光客が戯れる様子を投稿したショート動画が物議に(TikTokより、現在は削除ずみ)
《シカに目がいかない》奈良公園で女性観光客がしゃがむ姿などをアップ…投稿内容に物議「露出系とは違う」「無断公開では」
NEWSポストセブン
ショーンK氏が千葉県君津市で講演会を開くという(かずさFM公式サイトより)
《ショーンKの現在を直撃》フード付きパーカー姿で向かった雑居ビルには「日焼けサロン」「占い」…本人は「私は愛する人間たちと幸せに生きているだけなんです」
NEWSポストセブン
気になる「継投策」(時事通信フォト)
阪神・藤川球児監督に浮上した“継投ベタ”問題 「守護神出身ゆえの焦り」「“炎の10連投”の成功体験」の弊害を指摘するOBも
週刊ポスト
長女が誕生した大谷と真美子さん(アフロ)
《大谷翔平に長女が誕生》真美子さん「出産目前」に1人で訪れた場所 「ゆったり服」で大谷の白ポルシェに乗って
NEWSポストセブン
九谷焼の窯元「錦山窯」を訪ねられた佳子さま(2025年4月、石川県・小松市。撮影/JMPA)
佳子さまが被災地訪問で見せられた“紀子さま風スーツ”の着こなし 「襟なし×スカート」の淡色セットアップ 
NEWSポストセブン
第一子出産に向け準備を進める真美子さん
【ベビー誕生の大谷翔平・真美子さんに大きな試練】出産後のドジャースは遠征だらけ「真美子さんが孤独を感じ、すれ違いになる懸念」指摘する声
女性セブン
『続・続・最後から二番目の恋』でW主演を務める中井貴一と小泉今日子
なぜ11年ぶり続編『続・続・最後から二番目の恋』は好発進できたのか 小泉今日子と中井貴一、月9ドラマ30年ぶりW主演の“因縁と信頼” 
NEWSポストセブン
同僚に薬物を持ったとして元琉球放送アナウンサーの大坪彩織被告が逮捕された(時事通信フォト/HPより(現在は削除済み)
同僚アナに薬を盛った沖縄の大坪彩織元アナ(24)の“執念深い犯行” 地元メディア関係者が「“ちむひじるぅ(冷たい)”なん じゃないか」と呟いたワケ《傷害罪で起訴》
NEWSポストセブン