2014年のソチ五輪、2018年の平昌五輪と、2大会連続で金メダルを獲得したフィギュアスケート界の英雄・羽生結弦(27才)が19日、競技生活に1つの区切りを付けることを発表した。五輪以外でも世界選手権やグランプリファイナルなどで、リンク上で鮮烈な印象をファンに与えてきた羽生だが、リンクを離れてもファンを喜ばせることを忘れなかった。
10年来の羽生ファンを自認する女優の室井滋さんが印象深かったと話すのは、2015年末のNHK紅白歌合戦で審査員を務めたときの姿だ。
「慣れない袴姿で、サービス精神旺盛にいろんなことを話したり、普段とは違う表情を見せてくれたりしていました。私なんか“もっとぶっきらぼうでもいいんじゃない?”って思ったくらい(笑い)」
フリーで『SEIMEI』を演じた羽生は、映画『陰陽師』で安倍晴明役を演じた狂言師・野村萬斎(56才)と2015年にテレビで対談した。
「すごく緊張していて、野村さんの語る狂言の技術に耳を傾けながら、“すごいなぁ”と感嘆し、“すごいところに来てるなぁ、おれ”と言って思わず下を向いた。萬斎さんを正面から見るのが緊張するからなのか、ちょっと上目遣いになっていました。そんな初々しい表情を見せてくれるなんて、とテレビの前で小さく叫びました」(50代女性)
2016年には地元・仙台を舞台にした映画『殿、利息でござる!』に出演し、俳優にも挑戦した。コラムニストのペリー荻野さんが語る。
「仙台のお殿様役でしたが、雲の上の存在感、神々しさが自然に出ていた。ほかの役者さんには出せない嫌みのない高貴さ。リンクを離れてもオーラがあるんだ、と羽生くんの新しい一面を見ました」
仙台といえば、圧巻だったのが五輪で金メダルを獲得した後に行われた凱旋パレード。2014年には約9万2000人、2018年には約10万8000人が沿道を埋めつくした。
「ユヅはずっとあの優しい笑顔で手を振り続けて、大歓声に応えてくれたうえ、『SEIMEI』の決めポーズまでしてくれました。彼はずっと被災地を支援し続けているけれど、これほどまでに地元の人たちに愛されてるんだなぁって。彼と同じ時代に生きていられることだけでも幸せです」(30代女性)
今後はプロとして、アイスショーなどを中心に活動を続ける羽生。新たな「最高の瞬間」の誕生が楽しみだ。
※女性セブン2022年8月11日号