窮地は唐突に訪れる。説明如何によってその後は左右される。言葉を何より大切にする政治家からは学ぶべき点もあるだろう。コラムニストの石原壮一郎氏が指摘する。
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政治家と宗教団体との「不都合なつながり」が注目を集めています。問題がある団体と知りながら選挙で協力してもらったり寄付を受けたり、広告塔にされることを承知でイベントに出席したり、それに対して有形無形の見返りを受けたり……。
身に覚えがある政治家は、今ごろ戦々恐々としていることでしょう。あるいは「みんなやってるじゃないか」と開き直った気持ちでいるのでしょうか。いずれにせよ、それぞれの政治家の私利私欲が、結果的に日本を衰退させたり問題がありすぎる集団の好き放題を許したりすることになりました。かなり根深い問題のようですが、いろんな方向からメスを入れて膿を出しきってほしいものです。
それはさておき、スケールも意味合いもかなり違いますが、一般人である私たちも「不都合なつながり」を持ってしまうかもしれません。よくあるのは「不都合な男女関係」です。何かの拍子にバレたら、どう言い訳すればいいのか。あの宗教団体とのつながりがバレたときの政治家のみなさんの言い訳から、ノウハウや心がまえを学んでみましょう。
既婚者男性であるあなたが、部下である独身女性に手を出していたことが明らかになり、妻に追及されたとします。まず参考にしたいのは、岸信夫防衛大臣の言い訳。ご存じのとおり、安倍晋三元総理の実弟で岸信介元総理の孫でもあります。岸氏はあの宗教団体との関係を記者に問われて、こう答えました。
「何人かは存じ上げています。お付き合いもありますし、選挙の際もお手伝いをいただいたりしております。ボランティアのベースでお手伝いをいただいたケースもあると思います。選挙ですから支援者を多く集めることは必要なことだと思っております」
開き直りにしか聞こえませんが、悪びれずに堂々とした態度を保つことで、追求した側が「あれ、べつに問題ないのかな?」と錯覚する効果があるかもしれません。
そんな効果を期待しつつ、追及してきた妻に対して、堂々とした態度で「彼女にはボランティアのベースで手伝ってもらったケースもある気がする」と答えれば、一瞬「ボランティアだったのね。いい人なのかも」と勘違いする……といいですね。さらに「上司としては自分に味方してくれる部下を多く集めることは必要なことだと思っている」と言えば、不倫も仕方ないと思ってもらえる……といいですね。
石川県の馳浩知事の言い訳も参考になります。記者会見であの宗教団体に支援を受けていたことを指摘されて、こう答えました。
「支援を受けた数多くの団体のひとつで、金銭的な支援は受けていない」
また、イベントに参加したり応援を受けたりした記憶はあるかという質問に対しては、「十分な認識はございません」と答えています。
妻に「どういう関係なの?」と尋ねられたら、「仲良くしている数多くの女友達のひとりで、金銭的な支援は受けていない」と答えてみましょう。「ホテルに行ったっていう証拠もあるのよ」と詰め寄られた場合は、「十分な認識はない」と答えます。