ヒゲやすね毛、胸毛にワキ毛など男性による脱毛が注目され、「男の身だしなみ」の一つとして浸透しつつある。一方、脱毛をすると「毛が濃くなる」「ワキガになる」といった噂が囁かれてもいる。実際のところはどうなのだろうか。
メンズ医療脱毛クリニック『メンズエミナル』が全国の医師1000人強を対象に行ったアンケート調査では、「メンズ脱毛をすると毛が濃くなる」、「ワキ脱毛をするとワキガになりやすい」説について、いずれも5〜6割が「間違い」と回答した。
皮膚科・美容皮膚科医の花房崇明さん(千里中央花ふさ皮ふ科院長)に同様の質問をしたところ、やはり「これらの噂は間違い」とのこと。一方、「硬毛化といって、脱毛レーザーを照射することで、逆に毛が濃くなってしまうことはある」とも花房医師は言う。どういうことか。
「脱毛の仕組みを簡単に説明すると、レーザーがメラニン色素、つまり毛の黒色に反応し、毛根を破壊することで毛を処理します。脱毛ですので毛はなくなりますが、それ以上に何か起こるわけではありません。
ただし、脱毛することで逆に毛が太くなり、毛の数が増えてしまう『硬毛化』の現象が起こることがあります。これは、手軽さが売りのサロン脱毛でも、医師や看護師が施術を行うクリニックでの医療脱毛でも起こり得ることで、20〜30代の若い方に多く、部位としては背中やうなじなどがなりやすいです」(花房医師、以下同)
レーザー脱毛による硬毛化は、どんな場合に生じるのだろうか。
「脱毛レーザーの照射が、逆に毛根を刺激し、活性化させるとも言われています。が、硬毛化の根本的な原因は不明です」