連日、報道され続けているお笑い芸人TKOの木本武宏(51)の“金銭トラブル”。後輩芸人を巻き込み、被害総額は約7億円とも報じられているが、多くの疑問点も残ったままだ。今回、木本が女性セブンのインタビューに応じ、5時間以上にわたって騒動の真相を初めて語った。第1回と第2回では、20代の自称FXトレーダーA氏との金銭トラブルについて明かした木本。しかし、それで大きな損失を被った木本は、別の投資話を持ちかけられ、さらなる窮地に追い詰められることになる。【全4回の第3回。第1回から読む】
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FXの架空取引で9人の仲間の損失をかぶって多額の借金を抱えた彼に、別の投資話が持ちかけられたのは2020年12月。自称・トレーダーA氏が姿を消してから1か月後のことだった。
「ここからが、もっと馬鹿な話になるんですが、これまでの騒動を外から見ていたB氏という男がいるんです。会社を経営している7~8年前からの飲み仲間で、前から頑張っているなあと思っていたくらいだったんです。A氏が飛んだ後、そのB氏から『実は僕もAに金を預けていたんです』と言われて『お前も預けてたんや!』って話になって、お互いに相談するようになったんです」
B氏はA氏の件で被った損失を「勉強代だと思ってます」と言い、木本にこう切り出した。「実は僕、不動産投資をやっていて、ちょっと今いい感じなんですよ」
普段なら疑ってかかるような話も、追い詰められていた木本には正常な判断ができなくなっていた。
「以前のB氏は特に稼いでいる感じもなかったんですけど、ある時からものすごい羽振りが良くなったんですよね。そんな成功してんねやって感心して、話を聞くと『実は僕の知り合いにすごい会長がいて、その人しか触れない土地というのがあるんです。年に何回かその案件に参加させてもらえるんです』と」
B氏の説明によれば、皆で資金を出し合って、土地を転売すれば短期間で利益が出る見込みがあるという。
「扱うのが不動産なので、はっきりとした利回りは言えないと言いつつ『下手したら倍とか50%とかそんなんもありえる』と巧妙な言い方をするんです。それで僕は『マジか!?』ってなって」
実際にそれなりの額を別の投資家が出すと高額の配当があった。
「利回りがついて、すぐに結果が出たんです。さらに次の案件がもう来ていると言われて、迷いはありませんでした。年に2回くらいしかない話だと言うので、自分も『お金を増やしたい』と思ってしまったんです」
すっかりB氏を信用していた木本は、FXで損失を出したメンバーにも「返金の足しにするために(不動産)投資をやってみる」と話した。すると、何人かが「それなら自分たちも」となり、自らB氏に出資したり、木本に資金を預ける人も。木本は自己資金1000万円をB氏に渡したが、すぐに成果を得ることはできなかった。
「B氏に具体的に土地の詳細を聞いても『たとえ木本さんでもそれは言えない』と言うんです。極秘案件で、話が漏れれば会長に切られてしまうと。しかも、土地の枠を埋めないと話が無くなってしまうと言われて焦りが募るばかりでした」
最初のうちに利益が出たように見せかけて、搾り取って行く手口であれば詐欺の一種であるポンジスキームの疑いもある。だが、藁にもすがる思いだった木本には、B氏が救世主のように見えたという。木本を含めた4人から、総額5億円近い額がB氏に渡った。