今注目を集める若手女優の1人が福本莉子(21才)だ。映画やドラマなど話題作に立て続けに出演。今後への期待も高まる福本の「ヒロインの王道」とも言うべき歩みをコラムニストのペリー荻野さんが解説する。
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先日公開された映画“セカコイ”こと『今夜、世界からこの恋が消えても』。眠りにつくと記憶を失ってしまう実在の難病「前向性健忘」を患う真織(福本莉子)と、彼女に嘘の告白をしてしまった同じ高校の透(道枝駿佑)が、少しずつ距離を縮めながら綴られる切ないラブストーリー。個人的にはつらい境遇の娘のことを思う両親(水野真紀と野間口徹)の姿にも感情移入して泣かされたが、若い恋人のキラキラは、やはり夏にはよく映える。
その福本莉子は、今、ドラマ『赤いナースコール』でもヒロイン・三森アリサに。恋人の脚本家・春野翔太朗(佐藤勝利)とドライブ中に事故に遭い、担ぎ込まれた病院で、次々と猟奇殺人が起こる。翔太朗はギプスで身動きができず、アリサは顔に大けがを負い、個室で治療を受けている。だが、意を決して顔の包帯を取ってみると、不思議なことに傷はない!?
“5分に 1回の恐怖”“この夏史上最凶ミステリー”といわれるだけに、いきなり翔太朗のスマホを手にした被害者が上半身と下半身を切断された状態で見つかったり、無惨な被害者が続出。恐ろしい場面が次々出てくる。怪しい影、血しぶき、死を呼ぶ都市伝説、閉じ込められた環境、ヒロインが危なければ危ないほど、ドラマは盛り上がる。ミステリーやホラーは、ラブストーリーと並び、ヒロインがもっとも光るジャンルと言っていい。
2016年、沢口靖子、長澤まさみ、上白石萌歌らを輩出した「東宝シンデレラ」オーディションでグランプリに選出され、デビューした福本莉子は「ヒロインの王道」を歩んでいる。2019年には『黒蜥蜴-BLACK LIZARD-』で美しい女賊・黒蜥蜴に誘拐される大富豪の娘・早苗ともうひとりの若い女性・葉子の二役。早苗は江戸川乱歩が生み出した代表的な“可憐なヒロイン”である。