がんのニオイを嗅ぎ分ける「がん探知犬」 かなりの初期段階に反応する可能性も
「がん探知犬」トレーナーの佐藤悠二さん
賢くて性格も温厚なラブラドールレトリバーが、がん探知犬に適している。探知犬として活躍中のサラ(雌、9才)は、特に優れた嗅覚を持つアイルランドのチャンピオン犬の血統を継いでいる
2008年より九州大学との共同研究を開始。マリーン(右)とそのクローン犬のエスパー。右は伊万里有田共立病院の園田英人副院長
初代マリーン。水深20mのニオイまで嗅ぎ分けられる驚異的な嗅覚を持つ。特に優秀ながん探知犬で、正解率は100発100中だった(雌、享年13)
千葉県館山市にあるがん探知犬の訓練所『セント.シュガーガパン』。犬たちが泳ぐプールも完備され、豊かな自然の中でストレスなく、日々訓練に励んでいる
毎日ドッグランで体を動かし、元気いっぱいに走り回る。現在現役で活躍しているのは2~9才のサラ、リナ、リン、マリー、ジャン、ナルの6頭
エスパー(雌、14才)は、韓国のソウル大学から優秀なマリーンのクローン犬を作りたいと熱望され、マリーンの耳の裏の細胞から誕生。同様に誕生したほかの兄弟犬も韓国でがん探知犬に
ビー(雌、13才)は唯一のベージュの毛並み。既に現役は引退しているが、集中力が高く、がん判定が得意だった
がん発見の仕組み。がん患者の検体を箱に入れる。訓練所には九州大学より提供されたがん患者の検体(呼気)が冷蔵保管されている。がんの種類ごとに密封されており、使用する検体を箱に入れる
呼気を探知犬に嗅がせて検診スタート
今回担当したのはサラ。箱の中には、乳がん、肺がん、前立腺がん、直腸がん、腎臓がん、すべて違う種類の検体が5っ入っている。今回は乳がんのニオイを注射器で採取して、サラに嗅がせ、同じニオイを探させる
嗅いだニオイと一致しない箱の前では鼻をそむけて素通りしていく
同じニオイの検体を見つけるとはこの前で止まり、クンクンとニオイを嗅ぎ始める。実際の検診では健常者の検体4つと、検査する検体1つをそれぞれの箱に入れ、がんのニオイを嗅がせて、6頭が2回ずつ判定する
ごほうびタイム。犬たちは神経を集中させて判定するので、終わった後は大好きなボール遊びでリフレッシュ