物語は後半戦に入り、2代将軍・源頼家(金子大地)を支える13人の御家人の権力闘争が過熱しているNHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』。
第29話(7月31日放送)では梶原景時(中村獅童)が討ち取られ、長老格の2人の御家人も病死。13人のうち早くも3人が退場する一方で、新たなキーパーソンも登場した。
主人公・北条義時(小栗旬)の息子で後の執権・北条泰時(坂口健太郎)の妻となる初だ。演じる福地桃子(24)は今、最注目の若手女優だと芸能評論家の三杉武氏は言う。
「2019年放送の朝ドラ『なつぞら』でヒロインの親友役を演じ注目され、放送中のドラマ『消しゴムをくれた女子を好きになった。』(日本テレビ系)ではヒロインを務めている。
『鎌倉殿』では、緊張気味の泰時に対し『真面目。あなたのそういうところが息が詰まる』と一刀両断。泰時の母である八重(新垣結衣)に似た、芯の強さが光る好演でした」
福地には意外なバックボーンがある。
「福地の父親は『Vシネマの帝王』哀川翔なんです。といっても、福地はデビュー時に『2世タレントという肩書きを越せるように』と哀川と異なる事務所を選択しました。2世というイメージで彼女を見る人はほとんどいないでしょう」(同前)
第29話では頼家の息子・善哉が誕生する場面も描かれた。後に公暁と名を改め、3代将軍・源実朝暗殺に関わる重要人物で、演じるのは寛一郎(25)という若手俳優だ。
「寛一郎はこれまで日本映画批評家大賞の新人男優賞など数々の賞を受賞してきた若手実力派ですが、父親は佐藤浩市、祖父は三國連太郎という華麗なる血脈に連なる3世俳優。佐藤は『鎌倉殿』で最初に粛清される大物御家人・上総広常役を演じ、斬殺シーンは佐藤の壮絶な演技で前半屈指の名場面となった。
父子で時間差共演することになる寛一郎の見せ場は、“父の仇”として実朝の暗殺に至る場面。源氏滅亡の原因となった事件で、インパクトを残せるか。脚本家の三谷幸喜は、親族が争う権力闘争のドラマにあえて2世俳優を投入し、化学反応に期待しているのかもしれません」(同前)
※週刊ポスト2022年8月19・26日号