芸能

高田文夫「我々は日大というコンプレックスと日芸というプライドで生きてきた」

「日芸」同窓生たちとのひととき(イラスト/佐野文二郎)

「日芸」同窓生たちとのひととき(イラスト/佐野文二郎)

 放送作家、タレント、演芸評論家、そして立川流の「立川藤志楼」として高座にもあがる高田文夫氏が『週刊ポスト』で連載するエッセイ「笑刊ポスト」。今回は、日本大学芸術学部、通称「日芸」の同窓生たちと交友について綴る。

 * * *
 暑気払いには笑いが一番と7月23日有楽町はよみうりホールにてかねての予告通り「第五回 オール日芸寄席・おっと天下の日大事!」が大盛況、大爆笑のうちに行なわれました。

 今回の目玉ゲストは体調万全、もうウラとは言わせない我らが爆笑問題太田光です。タイミング的にもドンピシャで裁判でも日大であるとなったし、昨年の炎上がプレッシャーで今年の選挙特番では借りてきたチャボのようにおとなしくやり過ごし、日大の新理事長にもなぜか気がついたら林真理子がなっていたというところで、待ちに待った私とのセメント公開トークです。

 この日を待っていたお笑いマニアたちは「下手したらどちらかが引退してしまう東京ドームでの天心vs武尊を思わせるマッチメイク」と興味津々。太田光も普段はテレビとラジオの規制の中のコンプライアンストークの毎日、事務所でやるライブもきっちりネタを作って覚えてやる漫才。大きなホールの客前で、アドリブでフリートークとなると持ち前のはしゃぎ過ぎサービスエンタテイメントとなってすべて配信不可は予想通り。

 出演者はいつも日芸のOBばかりだが、今回は一之輔(日芸)に別の仕事が入っていて、ぜいたくな代演が喬太郎(日大商学部)、そしていつもの白鳥、志らく。日大の中でも「日芸」というのは独特で「日大でしょ?」ときかれると必ず「いえ、日芸です」という。我々は常に“日大というコンプレックスと日芸というプライドで生きてきた”。

 気の合う仲間とノーコンプラでのびのびトークをするのは楽しい。芸術家になろうと入ってきてみんなみごとな大衆芸能家になっている。脳のレベルが同程度、日大脳だから楽しいのなんのって。

 私が入った昭和42年以前からユニークな学校であったが、私と落研1年後輩の森田芳光が56年にマスコミでブレイク。私が『たけしのANN』『オレたちひょうきん族』で当てると森田は映画『の・ようなもの』で脚光。若者文化の目は日芸落研へ。その後日芸から林真理子、吉本ばななが出て三谷幸喜、爆笑問題が売れ、続いて立川志らく、宮藤官九郎。今のカルチャーのリーダーたちだ。

 当日ホールには林理事長からの大きな花が届いて一同大さわぎ。私が「これはきっと我々の口封じだな」と言うと太田「これは逆に私をいじっていいのよという振りじゃないですか」で一同入り乱れて丁丁発止。「“ちゃんこ田中”のあとに“ちゃんこ林”ができた」なんてガセネタも。楽しい一日、楽屋に戻るとクドカンがいた。

※週刊ポスト2022年8月19・26日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

西武・源田壮亮の不倫騒動から5カ月(左・時事通信フォト、右・Instagramより)
《西武源田と銀座クラブ女性の不倫報道から5か月》SNSが完全停止、妻・衛藤美彩が下していた決断…ベルーナドームで起きていた異変
NEWSポストセブン
大谷夫妻の第1子誕生から1ヶ月(AFP=時事)
《母乳かミルクか論争》大谷翔平の妻・真美子さんが直面か 日本よりも過敏なロスの根強い“母乳信仰”
NEWSポストセブン
ホストクラブで“色恋営業”にハマってしまったと打ち明ける被害女性のAさん(写真はAさん提供)
〈ちゅーしたら魔法かかるかも?〉被害女性が告白する有名ホストクラブの“恐ろしい色恋営業”【行政処分の対象となった悪質ホストの手練手管とは】
NEWSポストセブン
公務のたびにファッションが注目される雅子さま(撮影/JMPA)
《ジャケットから着物まで》皇后雅子さまのすべての装いに“雅子さまらしさ“がある理由  「ブルー」や小物使い、パンツルックに見るファッションセンス
NEWSポストセブン
小室圭さんと眞子さん(2025年5月)
《英才教育》小室眞子さんと小室圭さん、コネチカット州背景に“2人だけの力で”子どもを育てる覚悟
NEWSポストセブン
アントニオ猪木さん
アントニオ猪木を看取った付き人が明かす「最期の2か月」 “原辰徳の物まねタレント”が猪木を介護することになった不思議な巡り合わせ
週刊ポスト
寄り添って歩く小室さん夫妻(2025年5月)
【ステーキの焼き方に一家言】産後の小室眞子さんを支えるパパ・小室圭さんの“自慢の手料理”とは 「20年以上お弁当手作り」母・佳代さんの“食育”の影響
NEWSポストセブン
不正駐輪を取り締まるビジネスが(CPGのHPより)
《不正駐輪車を勝手にロック》罰金請求をするビジネスに弁護士は「法的根拠が不明確」と指摘…運営会社は「適正な基準を元に決定」と主張
NEWSポストセブン
「子供のころの夢はスーパーマンだった」前田投手(時事通信フォト)
《ワンオペ育児と旦那の世話に限界を…》米国残留の前田健太投手、別居中の元女子アナ妻が明かした“日本での新生活”
NEWSポストセブン
眞子さんと佳子さま(時事通信フォト)
《眞子さん出産発表の裏に“里帰りせず”の深い溝》秋篠宮夫妻と眞子さんをつないだ“佳子さんの姉妹愛”
NEWSポストセブン
田中容疑者の“薬物性接待”に参加したと証言する元キャバクラ嬢でOLの女性Aさん
《27歳OLが告白》「ラリってるジジイの相手」「女性を切らすと大変なんだ…」レーサム創業者“薬漬け性接待”の参加者が明かした「高額報酬」と「異臭漂うホテル内」
週刊ポスト
宮内庁は小室眞子さんの出産を発表した(時事通信フォト)
【宮内庁が発表】眞子さん出産で注目が集まる悠仁さま成年式「9月ならば小室圭さんとともに出席できる可能性が大いにある」と宮内庁関係者
NEWSポストセブン