「疲れやイライラの解消には、甘い物がいちばん!」と、ストレス解消のために甘い物をストックしていたり……。この数年、コロナ禍で家にいる時間が増え、以前にも増して甘い物に手を出すようになったという声が多い。でも、甘い物の食べすぎは、体重増加はもちろん、さまざまな病気を引き起こすきっかけになるのです。あなたも、いつの間にか、甘い物に取り憑かれた“シュガージャンキー”になっていませんか? もしも“シュガージャンキー”になってしまった場合、どうすればいいのだろうか。【前後編の後編】
“シュガージャンキー”から抜け出すには
どの依存症にもいえることだが、そこから抜け出したいなら、一度、体をリセットすることだ。その上で生活習慣を見直し、砂糖に頼りすぎない人生を送ろう。
【1】2週間は甘いものを断つ
甘い物を摂りすぎている人に対し、糖尿病専門医の市原由美江さんは「大前提として、ある期間、甘い物を断つことが必要です」と言う。
「すぐに手が届くところにお菓子があると、知らず知らずのうちに、甘い物を口にしてしまうのが依存症です。お菓子のストックはしないこと! コンビニやスーパーのお菓子コーナーには近づかない。家にあるお菓子は手の届きにくい戸棚にしまっておきましょう」(市原さん・以下同)
そして、まずは2週間、甘い物を摂らないことだ。
「最初はつらいかもしれませんが、1週間くらいすると次第に慣れてきます。人間に必要な糖分は、ご飯や野菜などにも含まれています。主食や主菜、副菜、汁物がそろった食事を3食きちんと摂れば、砂糖が使われたお菓子やジュースは必要ありません。特に朝食をしっかりと食べておけば、必要なエネルギーがチャージされ、甘い物がほしくなくなります」
甘い物は断ち、炭水化物をしっかりと摂ることも重要だ。
「食事で炭水化物を制限してしまうと、必要な糖質が不足してしまい、低血糖を起こし、かえって甘い物がほしくなります。『糖質を制限しすぎると、死亡率が上昇する』という研究結果がいくつも発表されています。茶わん1杯程度のご飯は、毎食摂るようにしましょう」