コロナの第7波の感染急拡大で感染者が発熱外来に押し寄せ、診察の予約が取れない人が激増している。政府は感染拡大の初期段階で受診できない患者が多いことを問題視し、「かかりつけ医」の制度整備を進める方針だが、良いかかりつけ医を探すにはどうすれば良いのか。
まずはホームページなどで目星をつけたら、本格的にかかりつけ医を決定するプロセスに入る。最初のポイントは「自宅からの距離」だ。新潟大学名誉教授の岡田正彦さんは言う。
「病院の外観や立地は関係ないですが、家から近いことは絶対条件。年を重ねると移動がつらくなるので、できれば徒歩圏内で探す。朝から晩まで職場にいる人は、職場に近いクリニックでもOKです」(岡田さん)
医師の年齢も重要だ。かかりつけ医とは長いつきあいになるが、あまり年上の医師だと先に姿を消されるかもしれず、かといって若すぎる医師は経験不足で心もとない。岡田さんが推奨するのは「50代以上」の医師だ。
「医師は40代で専門的な技量を身につけ、50代になるとそれまでの豊富な経験が実を結び、より一層患者の気持ちに寄り添えるようになる。そのため50代以上の医師がかかりつけ医として最適です」
医師自身の体調管理にも目を向けたい。
「過度に太った医師は健康管理に問題があり、患者に『やせろ』と言っても説得力がありません。たばこのにおいがしたり、歯や指がたばこのヤニで黄色くなっている医師も信頼できない」(岡田さん)
医師の「本性」が最もあらわになるのは診察のときだ。埼玉在住の加藤雅子さん(45才・仮名)が愚痴をこぼす。
「診察時にパソコンの電子カルテばかり見て、まったく顔を見ない医師がいました。そういう医師って、あまり信用できないですよね?」
医療ジャーナリストの増田美加さんのアドバイス。
「その際、『〇〇先生』と声をかけても患者の方を向かず、そのままパソコンを見続ける医師なら、かかりつけ医として長くつきあうのは難しいかもしれません。逆に呼びかけに応じて患者の質問に丁寧に答える医師は信頼できます」
岡田さんが続ける。
「医師にとって最も大切なのは話し方です。診察時に友達と話すようなタメ口や高圧的な話し方をする医師は患者への敬意が足りず、丁寧な言葉遣いの医師の方が安心できる。最悪なのは、前にかかっていた病院の悪口をペラペラとしゃべる医師。人格が疑われ、かかりつけ医としては不適格です」