7月9日に放送されたNHK『伝説のコンサート 中森明菜 スペシャル・ライブ1989 リマスター版』の反響が止まない。1989年4月、よみうりランドイーストでシングルのみを歌ったコンサートの模様に、視聴者が好反応を示した。テレビ局関係者は「実質的な再放送にもかかわらず、プロ野球やラグビー中継より良かった」と驚きを隠さない。
「土曜の16時半から18時までで世帯視聴率は4.6%(ビデオリサーチ調べ、関東地区。以下同)でした。この数字は、同じ土曜で2桁を取る大相撲と比べれば低いですが、2週前のプロ野球『阪神×中日戦』(15時3分~18時)の2.0%、1週前のラグビーテストマッチ『日本対フランス』(14時55分~17時)の4.0%、再放送の土曜ドラマ『空白を満たしなさい』(17時~17時50分)の2.2%よりも高かった。
しかも、明菜さんのライブは4月にNHK BSプレミアムで放送されたばかりです。今はBSがかなり普及していますし、リマスター版ではありませんが、当時の所属レコード会社であるワーナーミュージック・ジャパンの公式YouTubeチャンネルでも同じコンサートが観られます。いわば再放送でもあるし、いつでも見られる環境も整っている。それなのに4.6%は高い。特に番組後半になるにつれて、数字が上がっていったようです」(以下同)
最近の音楽番組は視聴率が取れていない。
「民放の音楽番組は、広告効果の高い若年層に訴求させるために、彼らに人気のある歌手を出演させていますが、それでも10代や20代の『コア視聴率』は伸びない。若者はリアルタイムでテレビを見る習慣がないのでしょう。年齢階層別の数字で若者の支持を得られておらず、世帯視聴率も低いのが現実です。
明菜さんのコンサートと同じ週のTBS『CDTV』は世帯3.5%、翌週のテレビ朝日『ミュージックステーション』は世帯5.3%でした。ともに21時からの番組です。もし『伝説のコンサート』がゴールデンタイムで放送されていれば、この視聴率を超えていたのではないでしょうか」