アイドルグループ「ずうとるび」のリーダーや演芸番組『笑点』(日本テレビ)の“座布団運び”として知られる山田たかおさん(65)。都内に2棟のマンションを持つ山田さんは不動産投資でも成功し講演に引っ張りだこだが、先頃、『笑点』で介護職員初任者研修(旧ヘルパー2級)の修了証を取得したと明かした。山田さん、これから介護ヘルパーとしても働くのだろうか。山田さんに詳しい話を聞いた。
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「『笑点』で旧ヘルパー2級の資格を取りました~、と発表したら、ある介護施設から『週3で働きませんか』と本気の誘いがきちゃいました(笑い)。でも、ヘルパーとして働こうと思って勉強したわけじゃないんですよ」
介護職員初任者研修は介護の基礎知識や理念を身につけるもので、これから介護の仕事を始めようという人のための“スタート資格”。ヘルパーとして働くのか、と勘違いされても不思議ではない。
「実は、高齢者のグループホームを作ろうと思っているんです。それで、介護の基礎的なことを学ぼうと、マネージャーと3人で、この春に介護職員初任者研修を受けました。簡単なのかなと思って始めたら、とんでもなかった。講義と実技実習で130時間も学ばなきゃなんなくて。
分厚い電話帳のようなテキストが3冊もあって、週3日、茨城県つくば市の福祉施設に泊まり込み、朝9時から夕方6時まで2か月ほど、びっちり学びました。レポートは毎日提出しなきゃいけないから目が疲れるし、入浴や車いす介助の実習なんかもあって腰は痛いし、途中で脱落する人が何人も出るほど大変でした。でも、がんばったおかげで、最後の試験は100点満点!」
山田さん、大真面目の本気なのだ。それにしても、なぜ急に介護施設を作ろうと思ったのか?
「昔の友だちに『会おうよ』と連絡すると、『親の介護で田舎に帰って戻れなくなっちゃった』なんて言われることが増えてきたんです。僕自身も10年以上前になりますけど、高齢になった両親ががんや認知症になって、6人きょうだいで実家に順番に泊まり込んで介護した経験があります。あまりに大変なんで両親には老人ホームに入ってもらったんだけど、おふくろは『帰りたい』とハンガーストライキまでやって、結局、出てきちゃった。支払った高額の入居金がパー。そのことを思い出して、『帰りたい、と思わないような、高齢者がここが自分の家だ、極楽だ、と思えるような楽しい施設を作ろう!』と思いました」
2012年から2~3年間、高齢者に芸能の楽しみを届ける「公益社団法人 虹の会」の理事として、多くの高齢者福祉施設を訪問してきたことで“施設を見る目”も養った。
「大理石の立派なエントランスなんて不要。木や花などの癒やしの方が必要です。そして、適切な介護やおいしい食事はもちろんだけれど、笑いも必要です。この秋には青年芸術家協会の会長に就任する予定なので、会員と一緒にエンタメを提供したり、映画を作ったりして笑いのあふれる施設にしたいですね」
山田さんを長く応援する、ある介護施設の理事長との出会いも大きかったという。