立秋が過ぎて暦の上では秋を迎え、そろそろ音楽業界で話題になり始めるのが『NHK紅白歌合戦』のこと。かつては視聴率が80%を超えたこともある国民的番組の紅白だが、近年は視聴率低下に歯止めが掛からず、打ち切り説さえ飛び交っている。
「昨年の紅白は、NHKにとって有利な条件が色々と揃っていました。コロナ禍で“巣ごもり生活”となり、テレビの需要は高まっていましたし、最強の裏番組である『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!』(日本テレビ系)の『絶対に笑ってはいけない』シリーズは放送を休止。前年は平均視聴率が2年ぶりに40%を超えましたし、会場は2年ぶりの有観客で、関係者の間では“前年度超えは当然”という楽観ムードが漂っていました。
しかし蓋を開けてみれば、平均視聴率は6ポイントも下がり、瞬間最大視聴率でも40%に到達せず、テレビ離れを象徴するような結果に。5月に発売された『文藝春秋』では、前田晃伸会長が紅白打ち切りを考えていることが現場職員からのリークで明らかになり、存亡の危機にさらされています」(テレビ情報誌記者)
2021年はインパクトがある大ヒット曲がなかったという事情はあるが、前年度より6ポイントダウンは深刻な事態。今年の紅白の数字次第では大きな決断が下されるかもしれない状況の中、ささやかれているのが目玉になりそうな2人の大物女性歌手の共演だ。ベテラン芸能記者の石田春男氏は言う。
「1人目は松田聖子(60才)です。聖子は昨年の紅白も出場が決定していたものの、直前に愛娘の沙也加さん(享年35)を亡くし、出場を辞退。しかし、春には音楽活動を再開し、ステージでは2011年の紅白で沙也加さんと歌った『上を向いて歩こう』を披露しています。
NHKとしては、昨年出場辞退した彼女に当然、改めて出演をオファーするでしょうし、聖子としても悲しみに一区切りを付けるために、紅白出演は絶対に必要なステップなはず。前回の母娘共演時の映像を使ったステージを用意しているという噂もあります」
そしてもう1人は中森明菜(57才)だという。
「表舞台から姿を消して久しい明菜ですが、今年4月、1989年に『よみうりランドイースト』で行われたコンサートの映像がNHK BSで放送されて大反響を呼び、7月に地上波で再放送されると、再び大きな話題に。明菜とって2022年はデビュー40周年にあたり、出演するには絶好のタイミングです。
2014年に活動を再開した場所も紅白でしたし、BSと地上波で2度もコンサートを放送したのは、NHKからのあからさまなラブコール。2014年はスペシャルゲストという形での出演でしたから、今回もそのパターンの可能性もあります」(石田氏)