タレントの人気や評価は出演作ひとつで大きく変わる。そうした“商品価値”が如実に表われるのが、日々動く「CM出演料」である。『週刊ポスト』(2022年8月26日号)では大手広告代理店がCM交渉のために作成した「ギャラリスト」の最新版を掲載しているが、注目したいのが2013年に放送されたNHK連続テレビ小説『あまちゃん』女優の出世ぶりだ。
宮藤官九郎脚本の『あまちゃん』は、東京から岩手県北三陸市に引っ越してきた主人公が「海女」として活動しながら、親友とアイドルを目指していく物語。平均視聴率が20.6%と国民的な人気を博した。主演を務めたのん(29)のほか、橋本愛(26)、有村架純(29)、松岡茉優(27)など今や主演クラスで活躍する若手女優が数多く出演したことでも記憶に残っている。あれから9年――彼女たちのCMギャラにも当然変化が出ている。
『あまちゃん』ブーム後に、『週刊ポスト』が同様のリストを入手した際(2014年9月5日号)、のん(当時は能年玲奈)が4000万~5000万円、有村は3000万~3500万円と報じられた。それが、今回の調査では有村が7000万~8000万円と「4000万円増」の“大出世”を果たしたのに対して、のんは「*(算定不能)」となっている。
大手広告代理店のキャスティング担当者が語る。
「有村さんは『あまちゃん』放送後、理想的なキャリアアップを果たしてきました。2013年のタレントCM起用社数ランキングで圏外からトップ10入りし、2015年には初主演映画『ビリギャル』が大ヒット。2016年にはNHK『紅白歌合戦』の司会と登りつめていった。現在もドラマ『石子と羽男ーそんなコトで訴えます?ー』(TBS系)で主演を務めています。その間、CMギャラも右肩上がり。いまや年上の綾瀬はるかさん(37)や戸田恵梨香さん(34)と同水準の価格になりました。
その一方で、主演女優として一躍国民的な人気女優になったのんさんですが、事務所移籍があったことで一度価格交渉のベース金額がリセットされ“要相談”を意味する『*』となりました。近年は女優としての活動も増えてきたのでまた価格が設定される可能性もありますが、現時点では有村さんがCMタレントとしての需要は高い」
浮き沈みの激しい世界だけに今後のアップ・ダウンは誰にも予想がつかない。