ラジオ業界を牽引する存在はどの局になるのか。『6月度首都圏ラジオ個人聴取率調査』(ビデオリサーチ)はTOKYO FMとJ-WAVEが0.6%でトップに並び、ニッポン放送とTBSラジオが0.5%で3位タイだった。かつての無敵の王者・TBSラジオは4月の調査から1つ順位を巻き返したが、長年親しんだ定位置には戻れなかった。ラジオ関係者が話す。
「わずか0.1%とはいえ、ラジオ局にとって1位と3位では大違いです。ただ、TBSラジオは2018年に就任した三村孝成社長が『聴取率調査』を重視せず、『スペシャルウイーク』も廃止したので、表向きには我関せずというスタンスを取っている。でも、現場は数字を気にしているようです。
しかも、代わりの指標であるパソコンやスマホで放送を聴ける『radiko』(ラジコ)のデータも芳しくないと聞いています。『radiko』で良い数字が出れば、各局とも発表するんですよ。TBSラジオも、参議院選挙投票日の報道特別番組のシェア率が高かった時は公表していました。裏返せば、他にあまり好調な番組がないということです」(以下同)
ニッポン放送は今年4月、radikoの『総聴取分数』でライブとタイムフリーを合わせたトータルで、初めて首都圏全局の中で首位を獲得した。6月も『総聴取分数』で1位だった。
「今、radikoで一番聞かれている局はニッポン放送なんです。TBSラジオは三村社長が重視するデータでも負けている。その要因のひとつとして、番組の“硬直化”も挙げられるかもしれません。たとえばニッポン放送の『オールナイトニッポン』(通称・ANN)と同時間帯で深夜1時~3時の『JUNK』のパーソナリティは12年以上も変わっていません。月曜が伊集院光、火曜が爆笑問題、水曜が山里亮太、木曜がおぎやはぎ、金曜がバナナマンです」