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東大生の旧統一教会2世信者が語っていた「検討した結果、家庭連合は間違っていないと確信」

かつての旧統一教会系の学生団体「UNITE」のデモ(撮影/西谷格氏)

かつての旧統一教会系の学生団体「UNITE」のデモ(撮影/西谷格氏)

 安倍晋三・元首相の銃撃事件を機に、自民党と旧統一教会(世界平和統一家庭連合)の関係がクローズアップされている。その中で見逃せないのが、「UNITE(ユナイト)」の存在だ。2015年、安倍政権が推進した安保法制に反対するデモが国会を取り囲み、支持率は急落、若者に抗議活動を呼びかける学生組織SEALDs(シールズ)がマスメディアの脚光を浴びた。その頃、そうした流れに対抗して現役東大生4人が結成したのが「国際勝共連合 大学生遊説隊 UNITE」だ。創設メンバーの4人は全員、旧統一教会の2世信者だ。ジャーナリストの西谷格氏が、彼らに取材したときのエピソードを明かす。

 * * *
 2016年7月某日、私(筆者)は旧統一教会に所属する2人の男性2世信者と、都内ホテルの喫茶ラウンジで向かい合っていた。2人は安倍政権の安保政策を支持するデモなどの政治運動を行なう統一教会系の学生団体「UNITE」(2017年に「勝共UNITE」と改称)の中心メンバーで、団体の設立経緯や活動内容を聞くのが取材の目的だった。

 2人は当時、東京大学に通う大学3年生だった。時間通りに待ち合わせ場所に現れ、ニッコリと柔和な笑みを浮かべてこちらに挨拶した。やや地味だが真面目そうな印象で、特別変わった様子は見られなかった。

 当時、安保法制をめぐって学生団体「SEALDs」が注目を集めていた。UNITE設立の経緯について聞くと、社会問題について研究やディスカッションを行う東大のサークルがあったと言い、こう説明した。

「勝共連合の勉強会に参加して、一緒に演説もさせて頂いた。『だったら学生でやってみてもいいんじゃないか』っていうことで、やらせて頂いたんです」

 サークル名については、「名前はちょっと控えておきますね」と明言を避けた。もしかしたら、統一教会系のサークルだったのかもしれない。設立の際に勝共連合から何らかの推奨や指導があったのかと訊いても、あくまで「学生が自主的に始めた」という説明だった。

――勝共連合から作ろうと言われたのではなく、自主的に作ったんですか?

「そうですね。友達の女性がですね、何かできることないかってことでオファーしたんです」

 当時、メンバーは全国に約400人いて、毎月2回ほど街頭演説をしているとのことだった。ところどころ、統一教会との関係をぼかすような話し方をしていたのが印象に残っている。例えば、「メンバーはほとんど統一教会か?」と訊くと、

「そういうメンバーもいるし、そうじゃないメンバーもいます。割合は分からないです」

 と返された。以下のようなやり取りもあった。

――ほかにはどんな活動をしていますか?

「この前は高校生を50人を対象に講演会をやらせてもらいました」

――その高校生はどうやって集めたんですか?

「なんとか集めました」

――家庭連合が中心ですか?

「そうですね、家庭連合で」

 繰り返し尋ねないと「家庭連合(=旧統一教会)」という団体名が出て来ないのだ。

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