旧統一教会との関係を取り沙汰されながら内閣改造で要職に抜擢された安倍派の議員たち。今になって教団との関係を「改める」と言い出したが、長年にわたり旧統一教会と自民党の関係を追及し続けてきたジャーナリスト・鈴木エイト氏の取材に、彼らはかつて平然と言い逃れをしていた。岸田文雄総理はこのことを理解した上で、それでも彼らを登用したのか。鈴木氏がレポートする。(文中敬称略)
* * *
統一教会関連のイベントに出席したのを認めながら、経産大臣からスライドし政調会長という党の要職に抜擢された萩生田光一・衆院議員。記者会見では「社会的な問題になっているので、今後は団体や会の在り方をしっかり見て慎重な対応をしたい」と語った。
しかし、かつての私の取材では、そのような危機意識は皆無だった。
2019年7月の参院選、秋葉原で行なわれた自民党大規模街頭演説会が終わった後の萩生田を直撃した。
──(統一教会系の政治団体である)国際勝共連合はアプローチしてきますか?
「地元(八王子)では勝共連合そのものはそんなに活動してないんだけど、わりと女の人で平和連合の会合なんかで、留学生の支援をしたりとかそういうのには出てますけど」
──八王子でイベントに出られたことがありましたよね。
「前に何かに出たら書かれましたね」
これは、私が『週刊朝日』2014年12月5日号に寄稿した「安倍首相側近らが続々と統一教会詣での“怪”」のことだ。
2014年10月11日、東京・八王子市芸術文化会館大ホールで「祝福原理大復興会」なる催しが開催された。統一教会多摩東京教区が主催したこのイベントの資料に、来賓挨拶として萩生田光一・衆院議員(東京24区)、中川雅治・参院議員(東京)の名前が記されていた。安倍側近としてイベントに参加し、挨拶までしていたのだ。
直撃は続いた。
──そんなに関係はないと? いろいろ言われてますが。
「いろいろ言われるタイプなんです(笑)」
──実際には関係は薄いと。
「そうですね」
──国会事務所にはロビー(活動)に来てるんですか?
「いや最近はそんなに動いてないと思いますよ」
──前はよく結構?
「前はね」
──議員会館をウロウロしていたと。
「最近はもう壺も売ってないし(笑)」
霊感商法の主力商品だった“壺”を引き合いにジョークでかわす萩生田の姿は、今回の就任会見での“神妙”な様子とは全く異なるものだった。