自民党の萩生田光一・政調会長と旧統一教会(世界平和統一家庭連合)の関係をめぐり、波紋が広がっている。教団主催イベントへの出席や関連団体への会費支出に加え、7月に行なわれた参院選前に新人候補の生稲晃子・参院議員を伴って東京・八王子の教団施設を訪れていたことが発覚。記者団の取材には、「(施設の)名前はちょっとわからない」と言葉を濁しながら、「少し思いが足りなかったと反省している」と述べた。そうした萩生田氏の姿勢を、教団関係者はどう見ているのか。自民党と旧統一教会の関係を追及してきたジャーナリスト・鈴木エイト氏がレポートする。
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「この選挙は皆さんの信仰にかかっています! 当選は神様の計画で、死ぬ気で取り組んでほしい、一緒にお父様の願いを果たしましょう!」
2012年12月の第45回衆院選直前、東京・八王子にある宗教施設の礼拝堂に集められた青年信者たちを壇上から叱咤激励する大柄な男性。声を張り上げていたのは当時、3期目に挑んだ2009年の第46回衆院選で民主党(当時)候補に敗れ、国政復帰を目論んでいた萩生田光一氏。現在、自民党政調会長に就き、亡くなった安倍晋三元首相の後継者として安倍派(清和政策研究会)の次期会長候補と目される萩生田氏が選挙前に足繫く通っていた宗教施設こそ、現在、その関係が取り沙汰されている統一教会の八王子教会とその関連施設だ。
当時、八王子教会の青年部で活動していた元信者の女性(30代)に話を聞くことができた。
「教団内用語を使う萩生田さんを八王子教会の会員だと思っていました」
“お父様“とは教団の創始者で信者から「真のお父様」と崇められる文鮮明教祖のことだ。
「ビルの3階が礼拝堂になっていて、選挙前や民主党政権時代は月1〜2回、選挙がなくても挨拶回りに来ていました」
当時、八王子には正式な地区教会である八王子教会とは別に、ビデオセンター(ビデオを見て教義を学ぶ施設)の入った雑居ビルも拠点となっていた。2階には青年部ビデオセンター、3階に婦人部ビデオセンターと礼拝堂があり、萩生田氏はこの礼拝堂にも来ていたという。
「萩生田さんは選挙前になると水曜の夜8時から行なわれる『水曜礼拝』に参加していました」
青年信者たちは選挙のたびに決起集会へ動員され、スタッフとしても支えた。八王子市内の萩生田氏の事務所からは投票依頼の電話かけも行なった。
「萩生田さんを応援することで教会の目的である地上天国が作られる、神様の国を作るための崇高な思いからでした」
ジャージ姿でイベントにも積極参加
浪人時代だった民主党政権時には日曜礼拝や教団のイベントにも積極的に参加していたとされる萩生田氏。元信者にはジャージ姿が印象的だったという。
「私は萩生田議員をお父さんのように慕っていました」
青年部の信者たちは萩生田氏を国政に戻すことに必死だった。