沖縄を舞台にした連続テレビ小説『ちむどんどん』(NHK)は、クライマックスに向け物語が進んでいる。
沖縄復帰50年の節目の作品として4月に放送がスタートしたが、これまでは苦戦続きで、6月末から7月初旬にかけては週の平均視聴率が14%台 (ビデオリサーチ調べ・関東地区の世帯視聴率から算出、以下同) にまで低下した。朝ドラファンが指摘する。
「前作の『カムカムエヴリバディ』には、言葉少なにヒロインを支える錠一郎(オダギリジョー)がいましたし、前々作の『おかえりモネ』には実直な医師の菅波(坂口健太郎)がいました。ところが『ちむどんどん』は、ときめきの対象となる男性がいなくて……言ってしまえば、出てくる男性はイケメンなものの内面に問題がある“クズ男”ばかりなんです」
例えば竜星涼(29才)が演じるヒロインの兄・賢秀は、家族に迷惑を掛けても借金を重ねてもお構いなし。物語が進むにつれて更生することもなく、最近は「ねずみ講」と視聴者から心配される怪しいビジネスに手を出すなど、一攫千金ばかりを夢見ている。
コラムニストの今井舞さんも「賢秀がステレオタイプなクズ男なだけでなく、起こることもご都合主義ばかり。最近も道で偶然、騙された相手に遭遇していましたが、そのあたりも工夫してくれないと、見ている方は醒めるばかりです」と手厳しい。
ヒロイン・暢子(黒島結菜・25才)の夫・和彦(宮沢氷魚・28才)は、新聞記者で常識人かと思いきや、同じ職場に勤務する5年間も交際した婚約者がいながら暢子への気持ちを抑えきれずその婚約者を突然捨てるなど、ダメ男ぶりに大ブーイングが巻き起こった。
「恋のもつれを描くなら、視聴者が三角関係、さらには暢子の幼馴染を交えた四角関係に酔えるようなシチュエーションを描いてほしかった。ところが雑に話が進むばかりで、恋模様をハラハラしながら見守るという楽しみを味わえませんでした」(今井さん)