最大貯金18が消滅するというNPB史上初の大失速を喫した楽天。批判の矛先はエース・田中将大(33)にも向けられている。今季は自己ワーストタイの6連敗を喫するなど6勝9敗(8月17日終了時点)で、負け数は両リーグワーストと、推定年俸9億円プラス出来高の活躍とは言い難い。地元のテレビ関係者からは心配の声が上がる。
「マウンド上では仏頂面なので誤解されがちだが、ああ見えて田中はナイーブで責任を背負い込んでしまう。日本球界復帰後は自身のYouTubeチャンネルで、登板後に投球内容を振り返る動画を配信していましたが、9敗目を喫した8月13日の西武戦は動画を配信しなかった。味方の援護に恵まれない試合も多いので気負いすぎないでほしいが……」
8年ぶりに日本球界に復帰した昨季、球団もファンもマスコミも「マー君フィーバー」に沸いた。春季キャンプから一挙手一投足が注目され、球団はファンクラブも設立。年会費180万円の『マー君クラブVIP』コースは、応募開始からわずか14分で完売するなど球界の話題を独占した。しかし、シーズンが始まるとファンが期待した活躍を見せられず。4勝9敗と大きく負け越した。
「日本球界復帰後は球速が落ちて力でねじ伏せられず、甘くなった変化球で痛打を浴びている。試合は作れていますが、完封勝利を飾るような圧倒的な力はない。正直エースとして期待するのは厳しい」(担当記者)
今季、球団はファンクラブ会員こそ募集したが、話題を呼んだ180万円のコースを廃止している。
「球団はメディア露出も制限するなど、田中が野球に集中できるよう配慮していると聞いています。しかし、田中が勝ちきれない以上、メディアやファンの関心が低くなってしまい、今季は田中の登板日でも空席が目立っている」(球団関係者)
田中は今季が契約最終年で去就も注目を集めている。田中自身メジャー再挑戦への思いを明かしているが、米国駐在の通信員は厳しい見方を示す。
「先発要員で獲得に乗り出す球団はないでしょう。直球が常時150キロ超えるようでないと、いまの変化球のキレではかわしきれない。大幅減俸で残留するしかない」
もう一花咲かせられるか──。
※週刊ポスト2022年9月2日号